レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、MotoGPチャンピオンのマルク・マルケスのF1初走行に感銘を受けたとし、将来、マルク・マルケスは2輪から4輪に転向することも可能だと考えていると語る。今週、マルク・マルケスはレッドブル・リンクでプライベートテストに参加。トロロッソ・ホンダのカラーリングが施されたレッドブル・レーシングの2012年マシン『RB8』で43周を走り込んだ。
マルク・マルケスのベストタイムは、去年のF1オーストリアGPでバルテリ・ボッタスが記録したポールタイムよりも10秒遅いが、今回マルケスが走らせた2012年の“ショーカー”はKERSのないV8エンジンが搭載されており、DRSもついておらず、タイヤはピレリの硬いプロモーション用タイヤが装着されていた。2014年にフェリペ・マッサがポールポジションを獲得したタイムからは6秒ほどの遅れとなる。「マルクは1分21秒台でスタートし、1分14秒台まで縮めた」とヘルムート・マルコはコメント。「彼はMotoGPで驚異的なライダーだが、F1でも同じように優れていた。彼が非常に素早くタイムを出していったことに満足している」「最初はもっとゆっくりとしたプログラムが意図されていたが、私はマルクならそれを即座にこなされると言っていたし、彼はそれを示した」元F1ドライバーでマルク・マルケスの“コーチ”を務めたマーク・ウェバーも、マルケスの驚異的なパフォーマンスを絶賛している。「彼は朝食の倍では本当に静かだった。コックピットに乗り込むとすぐに100%集中し、レーストラックでトップパフォーマンスを披露してみせた」「F1とMotoGPはまったくの別物だ。マルクはインストラクターとしての僕の仕事をとても簡単なものにしてくれた。彼は常に適切な質問をしてきたし、ラップ毎に改善していた」「F1カーを走らせてラップタイムを生み出す方法はまったく異なる。ダウンフォースははるかに多いし、コーナリングでのグリップも多い。目線は異なるし、側面のコンポーネントやシートポジションも独特だ」「素晴らしく印象的な午前だった。彼は少しずつタイムを縮めていった。ブレーキグエリア、高速コーナー、そして、今ではもう少しラップタイムを引き出すために少し時間がかかる最後のパートに入っている」「彼は少なくともF1のミッドフィールドで戦えるであろう進歩を示した。あのような短時間であそこまでのパフォーマンスを発揮できたことは彼の巨大な才能のすべてを物語っている。彼の走りは素晴らしかった」マルク・マルケスがまだ25歳であるこおとを考えれば、2輪から4輪に転向する機会が残っているのは明らかだ。ヘルムート・マルコは、もしマルク・マルケスが4輪に転向する気があるのであれば、2021年にレッドブルはシートを提供することも可能なくらいだと語る。「今後数年で彼はMotoGPでさらに多くの記録を打ち立てていくことになるだろう。その後はF1が実際に可能性として出てくるかもしれない」とヘルムート・マルコはコメント。「これまでジョン・サーティースのような両方のレースシリーズで競争できる驚異的な才能が何名か存在した。マルクもそれに必要なものを持ち合わせている」「彼がF1カーに座るのが今日が最後ではないのは間違いない」