レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、マーク・ウェバーのF1引退にについてニュースが報じられる直前まで知らなかったことを明かした。7年間レッドブルでを過ごしたマーク・ウェバーは、2014年からポルシェと契約してWEC世界耐久選手権に転向することを決断。今回のニュースは、ポルシェが先に公表しており、レッドブルは声明を発行するなど対応に追われた。
「今朝の9時頃マークから電話があり、彼と話したところ、今回の決断を下したとのことだった」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「1時間前の連絡というのは少々突然ではあるが、引退を決断できるのはドライバー本人だけであり、マークはプライバシーを極めて大事にする男なので、今回の決断が今日の連絡になったのだと思う」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「我々にとってはそれほど大きな違いはないが、10年以上続けてきたキャリアのタイミングを図るのはどのドライバーにとっても重大な決断だ。彼は自ら憶測を脱して自身の意向を明白にした。そしてポルシェとの新しい契約を発表することで(レッドブルの)候補から自分自身を外した」 「辞めるタイミングを決めるのは難しい判断だと思うし、我々にできることは彼の決断を尊重し、今後の活躍を願うことしかない」しかし、クリスチャン・ホーナーは、レッドブルのファクトリーで働くスタッフは、突然の知らせを不満に思っているかもしれないと気遣った。 「もちろん、彼は自分のことを自分で決断したわけだが、ファクトリーのみんなは、直接聞くのではなくインターネットで読むことになったのだから、おそらくガッカリしているだろう。だが、このようなことは時々あるだ」マーク・ウェバーは、レッドブルに対する当て付けでこのような発表の仕方をしたわけではないと述べている。「これはポルシェの発表だ。僕は発表の前にクリスチャンに知らせた。それは契約において僕がやるべきことであり、僕らはやるべきことをやった」とマーク・ウェバーは主張。「今日行ったのはポルシェとマーク・ウエーバーに関する発表だった」「今日僕はチームを助けることになったと思う。彼らは今後に向けていくつか決断しなければならないことがある」 だが、マーク・ウェバーは自身の公式サイトに掲載したQ&Aの中で、今回の発表以前にレッドブルの共同オーナーであるディートリッヒ・マテシッツに相談したことを明かしており、クリスチャン・ホーナーは蚊帳の外に置かれていたようだ。クリスチャン・ホーナーは「今日はディートリッヒと話していないし、今朝、マークと話した」と認める。「ドライバー決定の最終判断はディートリッヒと決めるが、先にチーム内で話し合ってそれをディートリッヒに提案する形を彼は常に支持してくれている」「マークはチームのために素晴らしい仕事をしてくれてきたし、早期に決断を下してくれたので、来年の懸案事項に関して彼が自ら幕を引いてくれたことはチームのためにポジティブなことだと考えている」「レギュレーション変更があるたので適応する時間になるだろうし、彼は来年にあまり興味がないのだと思う。これを受けて、我々は2014年にセバスチャンの相棒となる後任ドライバーをしっかり選ばなければならない」マーク・ウェバーとチームメイトのセバスチャン・ベッテルの関係は決して良くはないが、クリスチャン・ホーナーは、残りのシーズンでマーク・ウェバーがチームプレーヤーとして力を注いでくれると確信している。「両ドライバーともそうだが、彼はチームのためにドライブし、チームのために自分にできる全て尽くすために雇われている。それを成し遂げてくれるだろう。過去数年、彼はチームのために素晴らしい仕事をしてくれたし、残り12レースも今までと変わらない献身と決意を期待している」マーク・ウェバーの後任はキミ・ライコネンが濃厚とされているが、クリスチャン・ホーナーは、決断には時間をかけると繰り返した。「我々は速いドライバーを求めており、来年も最高のマシン2台で挑みたい。幸い、レッドブルのマシンをドライブしたいと希望してくれる数名のドライバーがおり、トロ・ロッソで育てている非常に優秀な若手ドライバーが2人いるという幸運な立場にいる。彼らに関する情報はたくさんある。決断を急ぐ必要はないし、適切な判断ができるよう時間をかけるつもりだ」 「誰と契約しようがリスクはつきものだ。できる限り情報を検討して決断したい」また、ドライバー決定に関してセバスチャン・ベッテルに相談する可能性もあるとクリスチャン・ホーナーは述べた。「当然、セバスチャンには我々のドライバー選択に関する最新情報が絶えず伝えられる。彼は(候補の)ドライバーたちと対決しているわけだし、我々には見えないことも見えたりする。彼の意見も貴重だと考えている。もちろん、彼とは絶えず意思疎通を図っていくつもりだ」関連:マーク・ウェバー、今季限りでのF1引退とポルシェ加入を発表