ラルフ・シューマッハは、若いドライバーをF1に参加させるだけでも1300万~1500万ユーロ(約18億~20億円)の費用がかかると語る。F1は、非常に裕福な人々の遊び場のようなものとして常に知られてきた。昨年、ルイス・ハミルトンは、新時代を“億万長者の少年クラブ”と表現。グリッドに裕福なバックグラウンドを持たないドライバーはほとんどいない。
ランド・ノリスとセルジオ・ペレスは億万長者の息子であり、ランス・ストロールとニコラス・ラティフィの家庭はさらに裕福だ。シャルル・ルクレール、マックス・フェルスタッペン、カルロス・サインツJr.,ミック・シューマッハ、ケビン・マグヌッセンの両親はモータースポーツの経験者だ。セバスチャン・ベッテル、ジョージ・ラッセル、角田裕毅などの一部のドライバーはスポンサーシップに依存しており、ルイス・ハミルトンの父親は息子の夢を途絶えさせないように3つの仕事を掛け持ちしていた。ダニエル・リカルドの両親は、以前に挙げた名前ほど裕福ではなかったが、それでも息子がF1に到達するために支払うことができた。インフレが進行している現在、そのコストは、恵まれない子供たち、または特に裕福な家庭の出身ではない子供たちでさえ、F1に進入することはほぼ不可能な状況となっている。シューマッハの名前はF1と非常に密接に関連している。したがって、ミハエル・シューマッハの弟で、ミック・シューマッハの叔父であるラルフ・シューマッハが、F1に到達するためには1300万~1500万ユーロがかかると言うときは、自分が何を話しているかを知っているはずだ。motorsport-total.com とのインタビューで、47歳のラルフ・シューマッハは、カートで競争するだけで年間 25万ドル(約3600万円)の費用がかかると計算した。「(6歳から8歳向けの)バンビーノ・カートに出場するには約30,000ユーロ(約400万円)が必要だ。移動し、どこかで寝たり、ちょっとしたものを食べたり、用具を揃えるなどでね」「国際的なカートではすべてのレースでプロのチームがおり、年間25万ドルでようやく満足できる」「ただの人間は、少人数のクラスに参加する余裕さえあない。それはほとんど不可能だ。 クラブスポーツである限り、最初は少し簡単かもしれない。 有料で受講できるコースがある。しかし、その後は非常に難しくなる」ラルフ・シューマッハとミハエル・シューマッハの兄弟は 1980年代にこのスポーツに参入したが、スポンサーと彼らのトラックへの近接性がなければ、それは不可能だっただろう。「サポーターがいたことは幸運だった。同時に、当時はカートが少し安く、レベルもそれほど高くなかったことが幸運だった」とラルフ・シューマッハは語った。「僕たちはカートのコースで育ちました。このアドバンテージを活用することができた」