キミ・ライコネンの謎めいた人物像。アイスマンの実像は? キミ・ライコネンに近い人々のインタビューでその内面を解き明かす。キミ・ライコネンは、親友のトニ・ヴィランデルと10歳に一緒にレースを始め、陸軍にも一緒に入隊した。トニ・ヴィランデルは、2012年のFIA世界耐久選手権のGTEクラスにフェラーリから参戦して優勝するなど、非常に経験豊富なGTレーサーだ。
トニ・ヴィランデルは「僕たちは違うシリーズでレースをしているので頻繁に会ったりはしていない。でも、僕たちの友情は永遠だと思う」と語る。トニ・ヴィランデルにはルーカスという息子がいるが、名づけ親はキミ・ライコネンである。キミ・ライコネンが2年間のF1を離れたあと、F1で一貫したシーズンを過ごしていることは意外だったかとの質問にトニ・ヴィランデルは「昨シーズンのキミのパフォーマンスというよりも、彼がカムバックしたことに驚いたね」と語る。「彼が辞めたとき、F1には本当にうんざりしていて『二度とやらない』と言い続けていた。あらゆるものから少し距離を置いて、ラリーのような全く違ったことをするのはいいことだと思う。そうすることで考え方を変えて、さらに強いアプローチができる」「キミはキミだ。マシンやタイヤ、そしてルールが違っていても、数周走ればすぐにトップのドライバーの1秒以内で走ることができる。ロータスの移籍直後も彼はそうだったよね」ロータスでのシーズン1年目、キミ・ライコネンはのんびりした人物というイメージが強かった。2001年からからキミ・ライコネンのトレーナーを務めるマーク・アーノールは、のんびりとしたキミ・ライコネンのイメージは、どれだけ厳しいトレーニングをしているかについて間違った印象を与えていると語る。「キミは、レースをしているときのんびりなどしていない。彼はクルマが走り続けている限り戦い続ける。トレーニングでも同じだ。僕たちが一緒に始めたときから、彼はずっとそうしている。どんなプログラムでも毎回110%頑張っている」キミ・ライコネンは、トレーナーも最高のコンディションでいるように望んでいる。マーク・アーノールは「彼はクリスマス、フィンランドの会社スントの最新心拍数モニターをプレゼントしてくれたよ」と語る。カート時代からキミ・ライコネンのヘルメットをデザインしている長年の友人ウッフェ・ダグストロームは、キミがトラックでどう見えるかについて大きな影響力を持っている。「彼はそれほど芸術的とは言えないけど、自分が望んでいるものはわかっているし、流行にとても敏感だ。自分で発信しているのは確かだね」とウッフェ・ダグストロームは語る。「キミが何かをヘルメットデザインに採用すると、すぐに他の誰かのヘルメットに同じアイデアを見ることがよくある」キミ・ライコネンは、自分の全てのヘルメットを保存しており、ヘルメットデザインを見るだけでシーズンを思い出す。「通常、キミはシーズン前に彼のヘルメットをどうすべきかのヒントを与えてくれる。コンピューターで僕が5つの異なるバージョンのアイデアを作り、彼が一番気に入ったものを選択するんだ」とウッフェ・ダグストロームは説明。「去年、彼はヘルメットに彼のレースナンバーを入れたがっていた。以前、マクラーレン時代にもナンバーを入れていたけど、それはヘルメットの後ろだった。今回、ナンバーは9から7に変わるけど、2013年はそれほど変更はない。いくつか新しいパートナーが加わっただけだ」2012年のF1モナコGPでは、ヘルメットにジェームス・ハントのデザインと名前を入れた。「あのアイデアは長年温めていたけど、マクラーレンとフェラーリでは使う機会がなかった。去年は完璧だったし、反響も大きかったね」
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