レーシング・ポイントF1のチーム代表であるオトマー・サフナウアーは、“ピンクメルセデス”として論争の的となっているRR20の開発の初期段階では事実上“大きな後退”だったと明かし、決して、単純なコピーだけで速さを手に入れたわけではないことを強調した。レーシング・ポイントF1の2020年F1マシン『RP20』が2月のプレシーズンテストの開始時にピットレーンに登場した際、メルセデスが前年にタイトルを獲得したW10に酷似していることからライバルチームは眉を吊り上げた。
そして、2020年のF1世界選手権が開幕3戦でのレーシング・ポイント RP20はパフォーマンスは、単に見た目が似ているだけに留まらずにトップ3チームに食い込むほどのペースを発揮。ミッドフィールドのライバルであるルノーF1は、“ピンクメルセデス”の合法性を正式に抗議した。レーシング・ポイントは、メルセデスW10の何百枚もの写真を詳細に分析したRP20を設計したと主張しているが、デザイナーのアンディ・グリーンが疑わしいショートカットを使ったではないかという疑問の声もある。しかし、チーム代表を務めるオトマー・サフナウアーは、レーシング・ポイントが採用したの模倣デザインのアプローチは“リスクがないわけではない”と主張する「自分たちがやっていることが、そのレベルまで機能するかどうかわ分からなかった。一歩後退する大きなリスクがあった」とオトマー・サフアウアーは語る。「実際、写真を通して見たアイデアというこのマシンの開発を風洞で始めたとき、我々は大きく後退していた。巨大だった」「当初は1周あたり数秒遅くなっていた。それは我々独自の学習だった。CFDと風洞の開発プロセス、より多くの設計と再設計により、我々はこの場所にたどり着いた」レーシング・ポイントのアプローチの基礎は、メルセデスから提供を受けるサスペンションとギアボックスパッケージが、以前採用していたハイレーキ・ソリューションとりも、メルセデスが採用する低重心な空力コンセプトに適しているという考えから生まれた。ポイントのエンジニア。「我々は低重心で設計されているギアボックスをメルセデスから購入しているため、マシンの後部で常に妥協があった。安定したリアエンドを持つことがダウンフォースには重要だ」とオトマー・サフナウアーは説明する。「マシンのリアエンドでの妥協により、我々は常にハイレーキ・ソリューションを変更することを望んでいた」「今年は我々がそれを変更できような初めての年だった。だが、それでも、前進を果たす前を一歩後退したと考えていた。とにかく前進していなかった」RP20でレーシング・ポイントが使用しているブレーキダクトに対するルノーの抗議について、F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、ライバルのデザインをコピーすることはF1のスタンダードだったが、レーシング・ポイントはその慣習を“次の段階”へと進めたとしている。オトマー・サフナウアーもその意見に率直に同意する。「他チームのマシンの写真を撮ることは、最大のチームから小さなチームまで至る所で起こっている。誰もがしているし、それは許可されている」とオトマー・サフナウアーは語った。「その中には、写真を通して学んだことをより良い仕事をして統合する人々もいる」