ポルシェは、ル・マン24時間の前哨戦で3位と4位を獲得した。2台の919ハイブリッドは、スパ・フランコルシャン6時間レースにおいて、トラブルに見舞われながらもレースを戦い抜いた。アール・バンバー(ニュージーランド)/ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)組は、スローパンクチャーによるタイムロスにもかかわらず3位に輝いた。
ポールポジションからスタートした現世界チャンピオンのニール・ジャニ(スイス)/アンドレ・ロッテラー(ドイツ)/ニック・タンディ(イギリス)組は、レースを中断する2回の「フルコースイエロー」の不運に見舞われながらも4位でゴールした。ハートレーは総合最速ラップを打ち立てて919ハイブリッドの潜在力を示して一矢を報いたが、トヨタが1、2フィニッシュを飾りました。ポルシェは、シルバーストンの開幕戦同様に再びル・マンのエアロダイナミクス仕様で参戦した。ローダウンフォースはタイヤの磨耗の原因となる。トヨタは2種類のエアロ仕様で出場し、ル・マン仕様の1台は2台のポルシェより遅れてゴールした。スタート時は晴天だった。レース終盤には雨が予想されていたが、ほぼドライコンディションでのレースとなった。主催者発表によると3日間の観客は61,000人だった。FIA世界耐久選手権(WEC)全9戦中2戦を終了し、ポルシェは現在マニュファクチュラーズランキング2位。ドライバーズランキングでは2位と3位に入っている。1号車のレース展開暖かい晴天(20℃)の下でロッテラーはポールポジションからスタート。10周目終盤にはトヨタ7号車がバスストップシケインでアウトサイドから首位に立つ。2周後にはラ・スルス入口でトヨタ8号車に抜かれ3位に後退する。21周目にはポルシェ2号車に抜かれる。22周目にタンディがロッテラーと交代し、5位で再開する。29周目にタンディがトヨタ9号車を抜き4位に浮上する。40周目にタイヤ未交換のチームメイトを追い抜き、47周目にタンディは燃料補給のためにピットイン。ドライバーチェンジンでピットストップ中のトヨタ8号車を抜いて2位に立つ。64周目にトヨタ8号車がタンディを抜き3位に後退する。71周目に1号車は再び燃料補給し、タンディはジャニに引き継ぐ。94周を過ぎて燃料補給の直後に「フルコースイエロー」が発生。ジャニは3位を維持するが、116周目のピットイン直前にポルシェ2号車によって抜かれる。4位のまま4本のタイヤを交換して、ロッテラーが引き継ぐ。彼は173周の142周目と165周目に給油を行った。2号車のレース運び5番手からスタートしたハートレーは、セカンドローからスタートしたトヨタ9号車がグリーンライトの後にラ・スルスでブレーキングをミスしたことに乗じて順位を1つ上げる。21周目で3位のポルシェ1号車を抜き、24周目に燃料補給でピットインするまで先にピットインしたトヨタを抑えて首位に立つ。ハートレーは3位を維持し、39周目の最終コーナーで抜かれて1号車のすぐ後ろに付ける。49周目にフルサービスを受けるためピットインし、バンバーが4位でコースインするが、3位に1秒差まで迫った55周目、右リアのスローパンクで早めのピットインを余儀なくされる。チームは該当タイヤのみを交換して燃料を補給する。バンバーは2時間のあいだ4位で走行する。79周目にバンバーに代わったベルンハルトがレース残り半分強の時点で4位を維持する。チームは95周目の「フルコースイエロー」中に2台の919ハイブリッドの燃料を補給。ベルンハルトは116周目にポルシェ1号車を追い抜いて3位に浮上。119周で4本のタイヤを交換してベルンハルトが再びハートレーへと引き継ぐ。122周目に最速レースラップを打ち立てて、127周目にトヨタ7号車を追い抜く。ハートレーは、ピットストップする直前のラップにLMP2と接触する。143周で燃料補給して新しいノーズセクションに交換。再びコースに戻ったハートレーは残り1時間の時点で3位のトヨタ7号車の背後に付く。167周後の最終ピットストップで給油のみを行いラストスパートを仕掛けたハートレーは、3位でゴールした。GTE-Proクラスではニュー911 RSR(91号車)が5位と6位でレースを終えた。リヒャルト・リーツ(オーストリア)/フレデリック・マコヴィエッキ(フランス)組は、土曜日のトラブルフリーでのレース展開と迅速なピットストップの後、わずかな差でチームメイトを破った。それから1分も経たずにケヴィン・エストル(フランス)/ミカエル・クリステンセン(デンマーク)組が同じく911 RSR(92号車)でフィニッシュした。GTE-Amクラスでは、ポルシェ911 RSR(モデルイヤー2015)をドライブするプライベートチームのデンプシー・プロトン・レーシングが表彰台を獲得した。2人のドイツ人、クリスティアン・リードとマービン・ディエンストに加え、ポルシェの若いプロドライバー、マッテオ・カイローリ(イタリア)が激しい走りを見せ、2位でフィニッシュした。他方、イギリス人のマイケル・ウェインライトとベン・バーカー、およびオーストラリア人のニコラス・フォスターによるガルフ・レーシング・チームは、クラッシュ後にリタイアを余儀なくされた。レース後のコメントフリッツ・エンツィンガー (LMP1担当副社長)「私達はポールポジションからスタートし、最速レースラップを打ち立てて表彰台を飾りましたが、残念ながら2台ともにというわけにはいきませんでした。しかし、最初の2戦にローダウンフォース仕様で出場するという戦略決定は正しかったと考えています。来週の30時間にわたる最終テストを心待ちにしています。マニュファクチュアラー選手権はわずか数ポイント差なので、自信をもってル・マンに挑みます」アンドレアス・ザイドル (チーム監督)「レース優勝を飾ったトヨタの皆さん、おめでとうございます。ポルシェの2台の車は、テクニカルトラブルなくゴールし、選手権ポイントを稼ぐことができました。スパのレースでは明らかに私達の最高のパフォーマンスを出し切ってはいません。2014年以来、毎年ここでポールポジションを獲得しましたが、優勝はしていません。ローダウンフォースのエアロ仕様の車両によって、ハイダウンフォース仕様のトヨタのスピードに対抗することはできませんでした。なぜならタイヤの磨耗が激しかったからです。しかしローダウンフォース仕様の3台目のトヨタを凌ぐことはできました。パンクによるピットインでロスタイムが発生しましたが、性能は確かでした。来週アラゴンで耐久テストを行いル・マンに備えます」ニール・ジ...