ピレリは、F1アゼルバイジャンGPの決勝で発生したランス・ストロール(アストンマーティン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のタイヤ故障に関する調査方向を発表。タイヤの製造や品質に欠陥はなく、報じられたチーム側の内圧の違反も否定したが、「内側のサイドウォールの円周方向の破損」がなぜ発生したかは明確にせず、「今後は内圧の監視を強化していく」とした曖昧なものとなった。
F1アゼルバイジャンGPでは、30周目にハードタイヤで走行していたランス・ストロールの左リアタイヤがストレートで突然破損してクラッシュ。そして、残り5周ではトップを走行していたマックス・フェルスタッペンがほぼ同じ場所で再び左リアタイヤが破損してクラッシュ。レースは赤旗中断となった。レース直後の調査では、ピレリF1はルイス・ハミルトンの左リアタイヤに深い切り傷があったとし、デブリが原因と推測していた。だが、ピレリF1は6月15日(火)に調査結果を発表し、デブリ説を除外した。「ピレリはFIAと協力して、最近のアゼルバイジャングランプリでランス・ストロールとマックス・フェルスタッペンに影響を与えたインシデントに関係した左リアタイヤの分析を完了した」とピレリF1は声明で述べた。「この分析では、レースで他のマシンが使用したタイヤも取り入れた。これらのタイヤは、損傷したタイヤと同じかそれ以上の周回数を走っていたものだ」「このプロセスにより、どのタイヤにも製造上の欠陥や品質上の欠陥はなく、疲労やデラミネーション層間剥離の兆候も見られなかったことが確認された」「アストンマーティンとレッドブルの2台の左リアタイヤの故障の原因は明確に特定されている。いずれのケースにおいても、内側のサイドウォールの円周方向の破損によるもので、規定の始動パラメーター(最低圧力と最高ブランケット温度)は守られたが、タイヤの走行条件に関連していた可能性がある」一部報道では、レッドブルとアストンマーティンは、ピレリが義務付けたタイヤの最低圧力に満たないタイヤを走らせていたことが破損の原因とされた。だが、レッドブルは改めてそれを否定している。レッドブルは「アゼルバイジャングランプリの47周目におけるマックスのタイヤの故障を調査している間、ピレリとFIAと緊密に協力し、マシンに落ち度は発見されなかったことを確認できる」とレッドブルは声明で述べた。「我々は常にピレリのタイヤパラメーターを順守し、彼らのガイダンスに従い続けている」それにもかかわらず、FIAは新しい技術指令をチームに発行。チームはレース週末を通してピレリによって設定された制限内に圧力を維持しなければならなくなる。「この分析の結果、ピレリはFIAとチームにレポートを提出した。FIAとピレリは、レースウィークエンド中の動作状態を監視するために、すでに配布されているアップグレードされた技術指令を含む新しいプロトコルのセットに合意し、他の適切なアクションを検討していく」ピレリは、タイヤが装着されているときに圧力をチェックできるが、マシンがコース上を走っているときに圧力レベルを監視する方法がない。内部からのは破損ということで、結局のところ、マシンがレース中の内圧が設定された圧力を維持していなかったことを示唆する調査報告となった。
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