ピレリが、2019年のF1世界選手権 第5戦 スペインGP 決勝でのタイヤ戦略を振り返った。ルイス・ハミルトンが優勝し、メルセデスによるワンツーフィニッシュ記録は、開幕以来5戦連続へと更新された。レースは、1ストップと2ストップが入り混じる様相を呈していたが、後半のセーフティーカー導入が影響を及ぼし、上位勢は「フリー」ピットストップの機会を得た。
キーポイント• 1名を除くドライバーが2ストッパーとなったが、その大半はセーフティーカー導入後に2回目のピットストップを行った。また、トップ5が4種類の異なる戦略を実行した。• 最初に2ストッパーを明確に意思表示したドライバーは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。フェルスタッペンの直前にピットストップを行なったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、スタート直後の第1コーナーでの争いでフラットスポットを生成してしまったことから、戦略への妥協を余儀なくされていた。メルセデスのバルテリ・ボッタスは、セーフティーカー導入中に2回目のピットストップを行った。これら3名のドライバーは、それぞれ異なる戦略を実行した。• ハミルトンは、トップの座を譲ることなく1回目のピットストップを行なっていたが、セーフティーカー導入によって、トップを維持したまま2回目のピットストップも可能となった。数名のドライバーが、ハミルトンに続いて、長いセーフティーカー導入周回中にピットストップを行った。• ルノーのニコ・ヒュルケンベルグは1ストップ戦略を採った。ピットレーンからミディアムタイヤでスタートしたヒュルケンベルグは、ソフトタイヤへ交換後13位でフィニッシュした。• 変動が大きかった前日までの気候を受け、決勝時は、路面温度が40℃を超える温暖なコンディションとなった。各コンパウンドのパフォーマンス• ハード C1: フェラーリのシャルル・ルクレール、ルノーのダニエル・リカルド、アルファロメオのキミ・ライコネンとアントニオ・ジョヴィナッツィの4名のドライバーのみが、ハードを使用した。ハードは、1ストップ戦略にとって鍵となる要素だったが、セーフティーカーによって1ストップ戦略は機能しなくなった。• ミディアム C2: ミディアムは、セーフティーカーの導入がなければファイナルスティントになった可能性もある第2スティントでの主流となった。ミディアムでの長いスティントも見られが、予測された通りの摩耗状況を示した例も見られた。• ソフト C3: ソフトは、レースを通して積極的に使用された。中でも、セーフティーカー導入後のファイナルスティントにおいて、ハミルトンがソフトでファステストラップを記録した。マリオ・イゾラ (ピレリ カーレーシング責任者)「レース終盤のセーフティーカー導入が、タイヤ戦略に関して重要なポイントとなりました。結果的に、大半のドライバーが2ストッパーとなり、ギャップがリセットされてフィニッシュまでのスプリントレースとなりました。スタート直後から、3種類のコンパウンドが機能する多様な1ストップと2ストップ戦略が期待されました。タイヤへの負荷が大きいこのサーキットで、ある程度の摩耗がソフトとミディアムに見られたことから、1ストップには少し厳しかったかもしれません。我々は、火曜日と水曜日に行われるインシーズンテストのためにバスセロナに留まり、フェラーリとレーシングポイントが供給するマシンを使用して、2020年向けのプロトタイプタイヤをテストする予定です」
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