ピレリは、F1イギリスGPでのキミ・ライコネンのタイヤトラブルについて、原因でタイヤ自体によるものではなく、外部からのダメージによるものだと結論づけた。F1イギリスGP決勝の残り2周、2位を走行していたキミ・ライコネンの左フロントタイヤにトラブルが発生。翌周にはチームメイトのセバスチャン・ベッテルの左フロントタイヤもパンクした。
結果として両ドライバーはピットインを強いられ、キミ・ライコネンはなんとか3位表彰台で終えたものの、セバスチャン・ベッテルは7位でフィニッシュすることになった。レース終了直後、ピレリは、フェラーリの2台に起きた問題は全く別物だとの見解を示していた。キミ・ライコネンのタイヤは故障したものの、空気は抜けていなかったのに対し、セバスチャン・ベッテルのタイヤはパンクしていた。ピレリは、その詳しい調査を実施。セバスチャン・ベッテルのトラブルはスローパンクチャーが原因が、キミ・ライコネンの問題については分析にさらに時間がかかるとしていた。26日、ピレリは、キミ・ライコネンの調査結果を発表。タイヤの構造や設計自体に問題はなく、縁石にヒットしたことなどによって外部的にダメージを受けていたことが考えられると述べた。「イギリスGP終盤、フェラーリのドライバー、キミ・ライコネンのソフトコンパウンドの左フロントタイヤに問題が発生したことを受け、分析の結果、ショルダー内部付近のベルトの縁に2カ所の明確なダメージがあることが判明した」とピレリはコメント。「このダメージはタイヤの他のエリアには全く存在しなかった。さらにベルトと構造には疲労のいかなる兆候も見られなかった」「このダメージの原因として最初に考えられるのは、外部の物体との接触が2つのエリアで起きたことで、ベルトがカーカスから一部剥離したという可能性がある。論理的な結果として、2つのエリアのうち片方では、タイヤのトレッドが部分的に剥離している」「しかしながら、このダメージは実際のタイヤ構造に悪影響を及ぼしてはおらず、ライコネンはエアが入った状態でピットまで安全に戻ることができた」「これまで多数の詳細なテストを行ってきた。イギリスGPで同様あるいはそれ以上の距離を走行したトップグループの他のタイヤを使用し、ライコネンが(25周)使用したセットと比較して、破壊テストおよびそれ以外のテストを行った」「しかしいずれの場合もタイヤの構造に影響する疲労、分離、裂傷のいかなる兆候も見られず、そのような問題が始まる兆候すら見られなかった」「結論として、ピレリは、タイヤ自体に関連するいかなる問題も発生していなかったことを確認することができる」