ピレリが、F1シンガポールグランプリの決勝レースを振り返った。メルセデスのニコ・ロズベルグが、戦略が鍵を握るシンガポールグランプリを制した。スタート直後の事故により、シンガポールのセーフティーカー導入率100%の記録は更新されたものの、これによる戦略への影響を受けたドライバーは数名のみだった。
ポールポジションからの優勝例が多いシンガポールで、ニコ・ロズベルグはポール・トゥ・ウィンを達成し、チャンピオンシップのトップへ返り咲いた。3名のドライバーが、セーフティーカー導入により、予定より早めのピットストップを行った。トップ10グリッド中、レッドブルの両ドライバーのみがスーパーソフトを、残りのドライバーは最もスピードのあるウルトラソフトを装着してスタートした。しかし、ダニエル・リカルドは、理論的には耐久性で勝るスーパーソフトのアドバンテージを活かすことができず、ライバルたちよりも長い第1スティントを走行することができなかった。レース終盤、メルセデスが活用したタイヤ戦略によって、ルイス・ハミルトンは3回目のピットストップ後にフェラーリのキミ・ライコネンを抜き、3位の座を獲得した。リカルドも終盤に3回目のピットストップを行い、スーパーソフトへ交換。ロズベルグよりも一時はラップあたり3秒近い速さで走行したリカルドは、スリリングなフィナーレを盛り上げた。一方、ロズベルグは、予定通りの2ストップ戦略でトップを維持したままフィニッシュした。グリッド最後方からスタートしたフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、ソフト-ウルトラソフト-ウルトラソフトと繋ぐ戦略で5位を獲得した。フォース・インディアのセルジオ・ペレスも、ソフトタイヤを使用した独自の戦略を採った。ウルトラソフトでスタートしたペレスは、セーフティーカー導入中にソフトへ交換し、その後、再度ソフトへ交換してレースを走り切り、グリッド降格ペナルティーによる後方のスタートからポイント圏内でフィニッシュした。今週、ピレリは、2017年に向けたワイドタイヤのテストを引き続き行う。今回は、メルセデスの協力を得て、フランスのポール・リカールで、来シーズンのレギュレーション合わせて修正を加えたマシンを使用してウェットコンパウンドをテストする予定。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「例年通り、シンガポールは、ドライバー、マシン、タイヤにとってシーズン中で最もタフなレースのひとつとなりました。昨夜の豪雨を受けて、通常とは異なる路面の改善パターンが見られました。レースの序盤から、表彰台を目指す各チームによる多彩な戦略も展開されていました。タイヤ戦略が重要な役割を演じ、2ストップと3ストップ戦略が入り混じったこのレースで、特に注目されたのは、ユニークかつ大胆な戦略を採ったセバスチャン・ベッテルによる最後方からの巻き返しでした」関連:【動画】 2016 F1シンガポールGP 決勝レース ハイライト
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