ピレリが、F1アブダビGPの予選を振り返った。メルセデスのニコ・ロズベルグが、ヤス・マリーナ・サーキットで行われた今シーズン最終戦のアブダビグランプリ予選で、6戦連続となるポールポジションを獲得した。予選は、路面温度が次第に低下する夕刻に行われた。路面温度の低下は、セッションの進行に伴って性能の向上をもたらし、各セッションの終盤に最速タイムが計測された。
過去、アブダビの決勝では、フロントロー以外からの優勝が一度のみであることから、最終ランのタイミングが極めて重要になった。Q1では、大半のドライバーがスーパーソフトでセッションを開始した。スーパーソフトは、ともにアブダビ用に選択されているソフトよりもラップあたり約1.2秒速い性能を示している。したがって、トップ10ドライバー中の大半が決勝用に新品スーパーソフトを残していない状況で、より耐久性の高いソフトコンパウンドが決勝のメインタイヤになることが予想される。フェラーリのキミ・ライコネンが唯一、Q1でソフトタイヤのみを使用し、決勝用に新品スーパーソフトを1セット温存した。ライコネンは、4番グリッドを獲得したフォース・インディアのセルジオ・ペレスと並んで2列目からスタートする。Q2以降、全ドライバーがスーパーソフトタイヤを使用した。最も重要なQ3用に多くの新品スーパーソフトタイヤを温存すべく、Q2でのランを限定的にするドライバーも見られた。路面温度はQ3中も下降し、一歩抜きん出たメルセデスの両ドライバーによるポール争いとなった。ラバーが乗って路面の改善が進んだ結果、グレイニングやブリスターの発生は報告されず、予選を通じたタイヤの摩耗とデグラデーションは想定通りだった。こうした状況からも、明日の決勝では、スーパーソフトでスタートし、後続の2スティントをソフトで走行する2ストップ戦略が主流になると予想される。予選中の路面温度は30℃前後だった。明日の決勝時も同様のコンディションとなることが予想され、特に通常よりも下位グリッドに沈んだドライバーにとっては、多彩な戦略が可能になる。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「今年もまた、照明の下で見応えあるアブダビグランプリの予選が行われました。キミ・ライコネンがQ1でただ一人ソフトのみを使用し、Q2ではスーパーソフトで1回のみのランを行うなど、予選を通じて多彩な戦略が展開されました。期待通りに路面の改善が進んだことによって、摩耗とデグラデーションのレベルは、現時点において想定通りとなっています。したがって、広範囲に渡る戦略が可能ですが、2ストップが主流になると予想しています。決勝の進行に伴い路面温度が下降するので、ピットウォールは状況を読み、変動するコンディションに対応した戦略を採ることになるでしょう」関連:F1アブダビGP 予選:ニコ・ロズベルグが6戦連続ポールポジション