ピレリが、F1ロシアグランプリの決勝レースを振り返った。メルセデスのルイス・ハミルトンが、イベント満載のロシアグランプリを1ストップ戦略で制した。2番グリッドからスーパーソフトでスタートしたハミルトンは、32周目にソフトへ交換し、ソフトよりも長い距離をスーパーソフトで走行した。レース前半の2回のセーフティーカー導入が、このような走行を可能にした。
ルイス・ハミルトンは、セバスチャン・ベッテルに並ぶキャリア通算42勝目を挙げ、ドライバーズタイトル獲得へ王手をかけた。昨日までと同様に冷涼なコンディションとなり、低い路面温度下でのタイヤウォームアップが、レース戦略の不可欠な要素となった。ロータスのパストール・マルドナード、ウィリアムズのフェリペ・マッサ、ザウバーのマーカス・エリクソン、マクラーレンのフェルナンド・アロンソ以外の全ドライバーがスーパーソフトでスタートを切った。上位勢を除く数多くのドライバーが、2回目のセーフティーカー導入周回(11周目以降)の機会を活用してピットストップを行い、この中でフォース・インディアのセルジオ・ペレスがトップグループに躍り出た。7番グリッドからスタートしたセルジオ・ペレスは、終始効果的なタイヤマネージメントを行い、3位の座を獲得した。FP3での事故によって予選を欠場したトロ・ロッソのカルロス・サインツは、グリッド後方からのスタートを強いられた。サインツは、頭脳的な1ストップ戦略と力強いレースペースでポイント圏内の7位まで順位を上げたが、メカニカルトラブルによって残り6周時点でリタイヤした。摩耗とデグラデーションのレベルが低くなったことで、大半のドライバーが、路面が滑らかなロシアでのデフォルトの選択肢である1ストップ戦略を採用した。2回のセーフティーカー導入もスティントを長くする一因となった。決勝のスタート前、ピレリが2017-2019年にかけてF1活動を継続するための商業契約を締結したことが発表された。詳細は、F1統治機構であるFIAとの手続きを進めていく中で発表される予定です。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「まず始めに、2017-2019年にかけてFormula One活動を継続するための商業契約をバーニー・エクレストンと締結できたことを嬉しく思います。今後はFIAとの公式な手続きを進めていく予定です。レースに関しては、十分なフリー走行が行うことがでずにタイヤ情報が不足していたことで、ドライバーとチームは、リアルタイムに変化する状況に反応すべく、レース状況を注意深く読みながら即座に決断しなければなりませんでした。彼ら全員が、このような課題にも問題無く対応できたことは、Formula Oneのレベルの高さを証明しています。アクション満載のレースで、多彩な戦略と、ポジションアップに貢献した効果的なタイヤマネージメントが見られました」