ピレリが、F1イタリアGPの金曜フリー走行を振り返った。モンツァの特徴は、シーズン中で最速のトップスピードと最も低いダウンフォースセットアップ。このような厳しい環境においても、ピレリのホームレースとなる日曜日の決勝では、1回のみのピットストップが予想される。
2回のフリー走行セッションを通じた両コンパウンドの摩耗とデグラデーションのレベルは低く、日が進むにつれて、より多くのラバーがトラック上に乗るため、このレベルはさらに低くなると予測される。FP2での気温は28℃、路面温度は40℃に達し、予想よりも若干高くなった。予選および決勝でも同様のコンディションとなると思われる。大半のドライバーの走行データによると、両コンパウンド間の性能差はラップあたり約0.6秒ということで、決勝のみならず予選においても多彩な戦略が展開されるだろう。例えば、予選でハードタイヤを使用し、ミディアムタイヤを決勝に温存する戦略も採り得る。イタリアGP用として、ピレリのタイヤレンジ中で最も耐久性の高い2つのコンパウンドであるハードとミディアムが選択されている。タイヤがピーク性能を発揮するラップ数を明確にすることが、フリー走行における各チームの作業のひとつであり、予選にとって重要な情報となる。例を挙げると、ミディアムタイヤは、ピーク性能を2周提供できそう。通常通り、各チームは、決勝における各局面でのタイヤ性能に関するデータを収集するために、多様な燃料搭載量で両コンパウンドを使用したレースシミュレーションを行った。この情報は、ピットストップのタイミングを決定するレース戦略を構築する際に活用される。メルセデスが両フリー走行セッションでトップとなった。午前中のFP1ではルイス・ハミルトンがハードタイヤで、午後のFP2ではニコ・ロズベルグがミディアムタイヤで、それぞれ最速タイムを記録した。ロズベルグのFP2でのベンチマークタイムは、1分26秒225だった。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「モンツァでの両コンパウンド間の性能差は現時点で0.6秒ほどですが、明日以降のレース週末も大きな変化は無いと見ています。両コンパウンドともに非常に耐久性があり、デグラデーションも大変低くなっています。したがって、昨年同様、日曜日の決勝では1ストップが主流になると予測しています。ドライバーたちは、ミディアムもしくはハードで予選を戦うことができますが、ミディアムコンパウンドが決勝でのメインタイヤとなるでしょう。例年通り、世界で最も情熱的で熱狂的なサポーターであるイタリアのファンの素晴らしい歓迎を受け、とても嬉しく感じています」