ピレリが、2014年 開幕戦 F1オーストラリアGPの予選を振り返った。今シーズン最初の予選は、ピレリの新型雨天用タイヤ、Cinturatoブルー・フルウェットとCinturatoグリーン・インターミディエイトのデビューの場となった。メルセデスのルイス・ハミルトンがフルウェットタイヤを使用してポールポジションを獲得し、レッドブルのダニエル・リカルドがインターミディエイトタイヤを使用して2番手となった。雨天用タイヤの使用は、ヘレスでの今年最初のテストにおける雨天テスト以来初めてだった。
天気予報によれば決勝も雨の可能性があるため、Q1の終盤から降り始めて、Q2やQ3で見られた断続的で時折強くなるような雨になれば、戦略の選択肢は多岐に渡る。可能性は低いものの、もしドライコンディションになれば、2ストップ戦略が理論的には最速戦略となる。P Zeroホワイト・ミディアムとP Zeroイエロー・ソフトタイヤが今週末用に選択されている。インターミディエイトとフルウェットタイヤは、トルクの増大と空力ダウンフォースの減少を特徴とする最新世代のF1マシン用に再設計された。特に、新型Cinturatoブルー・フルウェットタイヤは、フルスピード走行時に1秒あたり65リッターを排水することができる。この性能は、1秒あたり60リッターだった昨年から向上している。最終のQ3セッションの路面状態は、まさにインターミディエイトとフルウェットとのクロスオーバーポイント上にあり、両コンパウンドがフロントローを分かち合ったことからも、両コンパウンドの競争力が極めて接近していたことが示された。昨シーズン中およびシーズン後のピレリの開発作業の結果、フルウェットタイヤの作動範囲が広がり、今年のクロスオーバーポイントの幅は広がった。各チームが選択する戦略にもよるが、もし雨になれば、両雨天用タイヤが使用される可能性がある。Q3がウェットコンディションとなったため、各ドライバーは、最新の予選レギュレーションの下で追加供給されるソフトタイヤを使用することができなかった。通常のコンディションであれば、今シーズン、各ドライバーは、Q2で自己ベストタイムを記録したタイヤをスタート時に装着することになる。しかし、Q2での自己ベストタイムを計測したタイヤがインターミディエイトもしくはフルウェットの場合、スタート時に装着するタイヤを自由に選択することができる。ドライコンディションで行われた最終フリー走行(FP3)では、メルセデスのニコ・ロズベルグがソフトタイヤを使用して、2番手となったマクラーレンのジェンソン・バトンに1.391秒差をつける最速タイムを記録していた。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「今日、ついに全マシンの相対的なペースを見ることができましたが、雨による複雑な要素が絡んでいました。ヘレスでの1回の短いテスト以来、インターミディエイトとフルウェットの走行は初めてとなりましたが、明日も両タイヤが登場する可能性がありそうです。各チームからの正確なフィードバックを聞く必要がありますが、ここまで見た限りでは、2014年型マシンでのインターミディエイトとフルウェットの性能レベルに満足しています。革命的な新型マシンの複雑性にも関わらず、各チームは、予選において確実に力強く走行していました。しかし、今シーズンの勝負を決定付けるのは実際のレースペースですから、今日の例外的なコンディションで確固たる結論を出すことは非常に難しいです。Q3では多様なアプローチが見られ、トップ10ドライバーによってインターミディエイトとフルウェットの両タイヤが使用されました。特に、我々が前世代のマシン上で行ったフルウェットタイヤの開発およびテストが、2014年のF1の改善に寄与できたのではないかと思います」