ピレリが、2013年 第18戦 F1アメリカGPが開催されるサーキット・オブ・ジ・アメリカズでのレースをタイヤメーカーの観点から解説した。今シーズン最後から2番目のレースは、昨年初めてテキサスで開催されたアメリカグランプリ。今年も昨年同様、P Zeroオレンジ・ハードとP Zeroホワイト・ミディアムが選択された。
オースティンのサーキットは、非常に変化に富み、流れるような高速セクターから低速でテクニカルなパートを通じてタイヤに大きな負荷を課す。全長5.513kmのサーキット・オブ・ジ・アメリカズの鍵となる特徴である高速コーナリングにおける横方向のグリップとともに、低速コーナー出口でのトラクションが重要となり、まさにタイヤの全体的な性能が試される。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「アメリカのサーキットではタイヤに高い負荷がかかり、タイヤレンジ中で最も耐久性のあるコンパウンドが必要となるため、アメリカグランプリにはハードとミディアムがベストな組み合わせと言えます。いくつかの高速コーナーと多くのクイックな高低差が存在するという点では、スパに少し似ています。タイヤに負荷がかかるほどタイヤ温度は上昇し、摩耗とデグラデーションが増大します。アメリカグランプリは2度目なので、昨年、未知の状態で今年と同じハードとミディアムで臨んだ時と比較すると、今年はより良いアイディアを以って予測が立てられます。今年のコンパウンドは昨年よりも軟らかくなっていますので、路面の改善度合いにも依存しますが、決勝では2回前後のピットストップを予測しています。11月ながら暖かくなりそうな天候状態は、熱によるデグラデーションにも影響を及ぼします。昨年、F1は、アメリカの人々から素晴らしい歓迎を受け、まさに記憶に残るレースとなりました。我々のウルトラ・ハイパフォーマンスタイヤの重要な市場でもあり、多くの熱烈なF1ファンが待つアメリカを再び訪れることをとても楽しみにしています」ジャン・アレジ (ピレリ・ブランド・アンバサダー)「1990年のアメリカグランプリは、私がティレルでピレリタイヤを使用して臨んだ最初のレースで、私にとって大変良いレースでした。初めてフルシーズン参戦した年の最初のグランプリなので、いつも思い出します。当時、アメリカのF1のサーキットは市街地サーキットが多く、フェニックスのサーキットもそうでした。また、タイヤ開発のルールはオープンで、形状は決まっていましたが、マニュファクチャラーが自由に開発することができました。我々は、ピレリタイヤを使用して、他のマシンがピットストップを必要とする中、ストップすることなく完走することができました。この点が、多くの人々にとってのサプライズとなった我々の力強いパフォーマンスの鍵となりました。私はリードラップも走行し、最終的には圧倒的にパワフルなマクラーレン・ホンダのアイルトン・セナに次ぐ2位でフィニッシュしたのです! タイヤが差を縮めてくれたレースでした。もちろん、今日のアメリカグランプリは当時とは違います。2012年に行われた初のオースティンでのグランプリは、俳優から宇宙飛行士まで、スペシャルゲストを招いたショーでした。そして、アメリカの人々がF13に熱中する姿を見ることができたのは素晴らしかったです。これは、アメリカでのF1の関心度がそれほど高くなかった私の時代と違う点です。オースティンは、ドライビングがエキサイティングなトラックのように思います。昨年、表彰台でのピレリ・カウボーイハットは、多くの人々の印象に残ったと思います。とても楽しい演出でした」