ピレリが、F1カナダGP初日のフリー走行を振り返った。F1カナダGPの初日は、各チームがピレリの新型タイヤを初めて試した。この新型タイヤは、リアタイヤの構造にアラミド繊維を使用しているミディアムタイヤで、金曜フリー走行の2つのセッション用として、ドライバーあたり2セットがプロトタイプとして供給された。
午前中に行われたフリー走行1回目中の雨によって、1時間30分のセッション中、ドライ走行を行うことができたのは終盤の約20分間のみだった。それまでは、主にCinturatoグリーン・インターミディエイトが使用され、Cinturatoブルー・ウェットによる走行も見られた。トロ・ロッソのジャン・エリック・ベルニュが最初にプロトタイプタイヤを試した。フォース・インディアのポール・ディ・レスタが、イエローフラッグによる事実上のセッション終了前に、ミディアムタイヤでセッション最速タイムを記録した。引き続き冷涼ながらドライとなった午後、各マシンのラップタイムは、午前中よりも5秒程速くなった。フェラーリのフェルナンド・アロンソが、この日の最速タイムとなる1分14秒818をスーパーソフトタイヤで記録。このタイムは、昨年のセッション最速タイムよりも0.5秒速いものだった。2回のフリー走行で最も一貫した速さを見せていたのは、両セッションでともに3番手タイムを記録したロータスのロマン・グロージャンだった。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「午前中の雨によって、ドライバーたちが待ち望んでいた新型リアタイヤ構造の評価は限定的なものとなりましたが、最初のフィードバックはポジティブでした。今後数日をかけてこの新型タイヤ構造に関するさらに大量のデータを分析し、最終的な結論を出しますが、大きな変更は行わないでしょう。今回の変更は、デラミネーション(安全性に影響は与えません)の再発防止を確実にするためのマイナー修正であり、性能や耐久性などの基礎的なタイヤ特性に影響を及ぼすものではありません。カナダは、そのトラックレイアウトやタイヤ温度を上昇させるヘビーブレーキングにより、タイヤにとって最もチャレンジングなサーキットのひとつです。今日は、気温と路面温度が17℃前後で、レースとほぼ同様と思われるコンディションでした。低温にも関わらすグレイニングの発生はわずかで、両コンパウンドともに良好な性能と耐久性を見せてくれました。路面がまだグリーンで、ここには非常に多くの変動要因があるため、現時点でピットストップ回数を予測するのは困難ですが、スーパーソフトによる大きな性能劣化のないロングランがフリー走行で見られたため、明日の予選ではスーパーソフトが主役となりそうです」
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