アルピーヌF1のピエール・ガスリーがF1.comの「Getting to Know」シリーズに登場。カートに出会った幼少期の体験から、誕生日に取得した運転免許、親友シャルル・ルクレールとの思い出、さらに“なってみたい職業”や“泣くほど笑った瞬間”まで、多岐にわたる質問にガスリーが答えた。幼い頃からレースと共に育ち、F1で勝利を掴んだ今も、ガスリーの原動力は「スピード」「勝利への執念」、そして「本物であること」だ。
今回のインタビューでは、素顔の彼が見せるユーモアや情熱、そして競争の中で築かれた友情が丁寧に語られている。Q:自分を3つの言葉で表すと?うわ~来たね、こういう質問。まあ、わかったよ。まず1つ目は「負けず嫌い(competitive)」。これはすぐに浮かんだ。それから「誠実(genuine)」。そして「勝利(winning)」。これが自分を突き動かしているものだ。Q:F1に恋をしたきっかけは?スピード、そしてアドレナリン。それがF1を好きになった理由だ。初めてカートに乗ったときの感覚は今でも覚えてる。6歳で、ノルマンディーの実家の近くのサーキットだった。目を閉じれば、ピットレーンから出ていって、ストレートを走って、草むらに突っ込んで…っていう映像が浮かぶ。ライン取りを模索してた。とにかく興奮と恐怖とアドレナリンのカクテルみたいだった。テレビでF1を見るのも好きだったけど、地面に近い視点でスピードを体感したことで、本当に夢中になった。ガスリーは2017年、当時のトロ・ロッソからF1デビューを果たしたQ:運転免許は何回で合格した?誕生日当日に合格したよ!フランスでは18歳にならないと受けられないから、2月7日、自分の誕生日に試験を予約してた。30分くらいのテストで、最初の10分はF1の話をされた。まだリザーブドライバーだったけど、試験官が「もういいよ、合格だ」って(笑)。実を言うと、その人は昔一緒にレースしてたドライバーの父親で、「この子は運転うまいってわかってる」って言ってくれた。Q:最後に笑いすぎて泣いたのはいつ?親友のひとりとはしょっちゅうそういう瞬間がある。週に何回かは涙が出るほど笑ってるよ。たぶん今週もあったね。Q:パドック内の親友は?やっぱりシャルル(・ルクレール)かな。長年の付き合いだから。(角田)裕毅も、弟みたいな存在で…最近はもう“お兄さん”って感じだけど。昔から家族ぐるみで仲が良くて、子どもの頃から一緒にレースしてた。オフの時間も一緒に過ごしたし、特別な瞬間を共有してきたから、すごく強い絆がある。ガスリーとルクレールは、ジュニア時代から共に育ち、今も深い友情で結ばれているQ:ディナーパーティーに招きたいF1関係者3人は?まずジェームズ・ハント。彼の名前はよく挙がるけど、人生を全力で生きた人って感じがするから。そしてアイルトン・セナ。子どもの頃からずっと憧れだった。セナを挙げるなら、プロストとも言いたいけど、彼とは実際に話したこともあるから、代わりにファンジオで。だから、ファンジオ、ハント、セナだね。Q:無人島に1人F1ドライバーを連れて行くなら?最初に浮かんだのはキミ・ライコネン。話さないタイプだからケンカにならない(笑)。でもやっぱりシャルルかな。気心が知れてるし楽しいはず。裕毅もありだね。料理うまいから、食事はなんとかなる!Q:話せる言語は?他に学びたい言語はある?まずは1つをしっかり話したい(笑)。フランス語が母国語だけど、英語の方が話す機会は多い。フランス語、英語、イタリア語は話せる。スペイン語は学校レベル、ポルトガル語はちょっとだけ。合計で3カ国語が流暢で、他2つは旅先でなんとかなる感じ。ビールの注文はできる!Q:好きな映画やテレビ番組は?子どもの頃は『ハリー・ポッター』が大好きだった。魔法の世界に引き込まれる感じがたまらなかった。最近は『ラスト・ダンス』(マイケル・ジョーダンのドキュメンタリー)が最高だった。当時の映像と今のインタビューが交互に出てきて、ジョーダンの視点が語られる構成が素晴らしかった。MJの大ファンだから、あのシリーズが一番好きだね。Q:これまでで一番役立ったアドバイスは?ジャン・アレジにカート時代に言われたこと。「夢は大きく持つのもいいが、目の前のステップに集中しろ」って。13歳くらいの頃、モナコで言われた。最初は意味がよくわからなかったけど、後からすごく納得できた。あとは「今を楽しめ」ということ。つい“次、次…”って考えがちだけど、今をちゃんと味わうことが大事だと思う。フランスのF1レジェンド、ジャン・アレジは、若き日のガスリーに貴重な助言を与えていたQ:1日だけ体験してみたい職業は?宇宙とか、宇宙飛行士には惹かれるけど、1日じゃどこにも行けないか(笑)。インテリアデザインも好きだから、デザイナーもいいかも。チャンピオンズリーグの決勝で10万人の前でプレーするのも夢だったな。それとウォール街のトレーダーも気になる。あの緊張感とアドレナリンはかなり魅力的だと思う。Q:F1でこれまで一番誇らしい瞬間は?2020年のモンツァ。初優勝のレース。今でもキャリアで一番特別な瞬間だ。Q:5年後、どこにいたい?5年後?F1のワールドチャンピオンになっていたい。それ以外に興味はない。本当に、それだけが目標だ。
全文を読む