レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスは、2021年F1オランダGPの決勝でピットレーンから8位入賞という健闘をみせた。レース前、セルジオ・ペレスのマシンに新たなパワーユニット(PU)を投入し、グリッド降格ペナルティーを受けた。これは戦略的な理由によるもので、ハンガリーGPでのクラッシュによってPUがダメージを負っていたことや、予選16番手というグリッドなどの状況を総合的に判断して新コンポーネントの投入を決定した。
この中にはスペックの異なるものもあったことから、レギュレーションにより、ペレスはピットレーンスタートとなった。スタートで大きな混乱はなく、セルジオ・ペレスは追い上げを図ってプッシュするが、ハースのマシンにターン1でオーバーテイクを仕掛けた際にロックアップしてしまい、タイヤを傷めたことで、8周目にミディアムタイヤへ交換を余儀なくされる。追い抜きが難しいコース特性ながら、セルジオ・ペレスはロスを取り戻すべく、ターン1と11を巧みに使って、前を行くマシンを次々とオーバーテイク。ほぼ全車が1度目のピットストップを終えた時点で、ポイント圏内へと浮上した。レース終盤の55周目に2度目のピットストップを行い、ソフトタイヤへと交換したセルジオ・ペレスは、12番手でコースに戻ると、オーバーテイクを重ねていく。ダニエル・リカルド(マクラーレン)をターン1のアウト側から攻略して入賞圏内の10番手にポジションを上げると、さらにはランド・ノリス(マクラーレン)をパスして9番手に。最後はエステバン・オコン(アルピーヌ)を交わして8位に入賞した。「今日は全力を尽くした。どのオーバーテイクも限界まで攻めて、かなりのリスクを取る必要があった」とセルジオ・ペレスはコメント。「PU交換によってピットレーンスタートになったので、ダメージを最小限に抑えることが重要だった。終盤にランド(ノリス)と接触したのは残念で、マシンの右側に大きなダメージを負ってしまった。彼に僕が見えなかったとは思わないし、十分なスペースが残されていなかったので、レーシングインシデントだと考えている」「そこからは大きくグリップが低下しましたが、それがなければ6位までは狙えたはずだ。オランダのファンの皆さんはレースウイークを通じて素晴らしかったので、もっといい結果を出したかった」「ここからはまた先を見据えて、モンツァでは強さを取り戻せるように取り組んでいく」