F1ドライバーは、体力面を理由に複数のレースを欠場することを決断したパスカル・ウェーレインに対して様々な反応をみせている。パスカル・ウェーレイン(ザウバー)は、1月に参戦したレース・オブ・チャンピオンズでクラッシュして背中を負傷。高速化する2017年F1マシンに備えるための重要な時期にトレーニングをすることができなかった。
怪我の影響でパスカル・ウェーレインは、1回目のプレシーズンテスト参加を断念。2回目のテストでは復帰して2日間走行し、F1オーストラリアGPでも金曜フリー走行をこなしたが、残りの週末を戦うにはフィジカルコンディションが十分ではないとして欠場を決断。今週末のF1中国GPも欠場することが発表された。代役を務めるアントニオ・ジョビナッツィは開幕戦で印象的なパフォーマンスをみせており、彼がザウバーにエンジンを供給するフェラーリのリザーブドライバーであることから様々な憶測を呼んでいる。このパスカル・ウェーレインの決断について、ロマン・グロージャン(ハース)は、自分よりもチームを尊重することを考えたウェーレインは“勇敢”だと語る。「彼はレース・オブ・チャンピオンズで大クラッシュを喫したので、本格的なトレーニングができなかったようだね」とロマン・グロージャンはコメント。「この冬はどのドライバーもかなり努力してトレーニングをしてきたはずだ。僕も去年の状態でこのクルマに乗れと言われたら、少し苦労したかもしれないな・・・その時間がなくて2カ月も休養しなければならないのは難しいと思う」「誰にも打ち明けずに出場して、理由を付けてリタイアすることもできたはずだ。でも、自分自身のリスクや他人を巻き込むリスクを冒したくないとはっきり口にしたのはとても勇敢なことだと思う。クルマをドライブすることは難しかっただろうからね」自分だったらどうしていたかと質問されたロマン・グロージャンは「彼にこれを聞かれたら嫌われるかもしれないけど、僕なら走っていたよ!」と述べた。フォース・インディアのセルジオ・ペレスは、パスカル・ウェーレインが他のドライバーに自分のシートを譲ったことに驚いたと認める。「パスカルに関しては深刻な問題ではないことを願っている」とセルジオ・ペレスはコメント。「本当にフィジカルな部分のことだけならいいんだけどね。でも、自分が彼の立場だったらと考えると複雑だ。2011年のモナコで事故を起こした後のことを思い出す。レースドライバーとしては、自分がレースのために100%かどうかはどうでもいいことなんだ。僕なら間違いなくレースをしている」「たとえクルマの中で辛くなったとしても、それが体力を取り戻す一番の方法だ。でも、どんなドライバーも考え方は違うし、彼の判断は尊重する。ただ、深刻な何かがなければいいと心から思っているし、できるだけ早くパスカルに戻ってきてもらいたいと思っている」パスカル・ウェーレインのチームメイトであるマーカス・エリクソンは、本人の気持ちをわからない周りの人々があれこれと判断することは不公平だと語る。「難しい問題だ。他人があれこれと推測するのは簡単なことだ」とマーカス・エリクソンはコメント。「最終的に自分の体のことや全てのことについて考えるのはクルマに乗る本人だ。彼がどうすべきか、するべきではないかについて何日も騒ぎ立てるのは勝手だけど、自分がクルマに乗れるかどうかを判断するのはパスカルであり、クルマに乗るドライバー自身だ」