国土交通省は30日、三菱自動車が販売中の9車種の燃費値を独自に測定した結果、8車種がカタログに記載された値を下回ったと発表。三菱自動車は販売を一時停止し、保有者に1台あたり3万〜10万円の賠償金を支払うと発表した。三菱自動車は、主力の軽自動車で燃費を実際よりよく見せるため燃費データを改ざんするなど、過去10年間に販売した合わせて29車種で不正を行っていたことが明らかになっている。
このうち現在も販売されている9車種について、国土交通省が改めて燃費を測定した結果、8車種で会社が公表している燃費の値を下回ったことから、対象8車種の販売を停止するとともに、これらの燃費値を正しく改めるよう指示した。販売を停止するのは、「RVR」「デリカD:5」「ミラージュ」「パジェロ」「アウトランダーPHEV」「i−MiEV」「ミニキャブ・ミーブバン」「ミニキャブ・ミーブトラック」の8車種。国交省の測定では、8車種の燃費値がカタログ値を平均で4.2%下回った。差が最も大きかったのは「RVR」の8.8%で、1リットル当たり16キロと公表された車両タイプは同省の測定では14.6キロだった。カタログ値を上回ったのはガソリン車のSUV「アウトランダー」だけだった。三菱自動車の益子修会長は、国土交通省が不正発覚後の再試験でも不正な測定を行っていたと指摘したことについて、再試験でもよいデータだけを基に燃費を算出していたことを認めたうえで、「法令違反ではないと認識しているが、測定はいいとこ取りにならないよう即刻改めたい」と述べた。また、販売一時中止による生産や雇用への影響、日産自動車との提携に与える影響はないとし、海外にも日本と同じ仕様の車両があるが台数が少ないため影響はないと説明した。