2011年のF1レギュレーションの基本方針が世界モータースポーツ評議会で発表された。2011年F1の最大のトピックは、やはりタイヤサプライヤーの変更。2007年から単独でタイヤを供給してきたブリヂストンに代わり、2011年からはピレリがタイヤを供給することに決定した。また可変リアウイングの導入、FOTAによって自主規制されていたKERSが復活するなど、マシン設計に影響を与えるいくつかの変更が予定されている。
ピレリがタイヤを供給2011年から3年間、ピレリがF1にタイヤを供給することが決定。ピレリは4種類のドライタイヤ、2種類のレインタイヤを供給する予定となっている。可変リアウイングの導入オーバーテイクを促進することを目的に、2011年から可変リアウイングが導入される。ドライバーは制御エレクトロニクスが可能だと通知した場合のみ可変ボディワークを使用することができる。可変リアウイングは最初の2周では使用できず、ドライバーが先行するマシンの1秒未満に近づいたときにのみ使用が許される予定となっている。Fダクト、ダブルディフューザーの禁止2011年からは可変リアウイングを除き、ドライバーが操作することでエアロダイナミクスに影響をあたえるデバイスが禁止となる。また、ダウンフォースの削減を目的にダブルディフューザーが禁止される。KERSの復活KERSは、2010年もレギュレーションでは許可されていたが、FOTAによって自主規制されていた。しかし、FOTAは2011年からその取り決めを廃止。システムは、基本的に2009年に使用されていたものと同じ出力が採用される予定となっている。最低重量を640kgまで引き上げ2011年からはマシンの最低重量が640kgまで引き上げられる。これはKERS搭載による重量の不利をなくすための措置。107%ルールの復活2011年からは予選Q1の最速タイムから107%を超えるドライバーは、レースへの出走が認められない。しかし、雨によるセッション中止など例外的な状況ではフリー走行のタイムを参考にスチュワードが出走を認める場合もある。そのケースで2名以上のドライバーの出走が認められた場合は、スチュワードがグリッド順位を決定する。予選でのスロー走行の制限2011年からは予選のインラップあるいはレースのレコノサンスラップでマシンが必要以上に遅い走行をしないために、ピット出口後のセイフティカーラインとピット入口前のセイフティカーライン間に最大タイムが設定される。最大タイムは、各イベントのフリー走行初日までにレースディレクターが決定する。