ホンダのレッドブル・ジュニア選手(野村勇斗、荒尾創大)は、先週末のフランスF4選手権でデビュー、両名とも表彰台獲得した。復活祭連休の週末は、フランスF4にとって新たな時代の幕開けとなった。FFSAアカデミーが開催する同選手権に新たにHaloが装備されたミゲールM21-F4マシンが導入され、今シーズン参戦する24名の若手ドライバーのスキルをより早いスピードで試すとともに安全性が高められた。
荒尾創大と野村勇斗は、2022年にホンダ・レーシングスクール・鈴鹿(HRS)と名前を変更した、鈴鹿レーシングスクール(SRS)の卒業生。全日本カート選手権を経たあと、ゴンダの若手ドライバー育成プログラムであるホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)と、レッドブル・レーシングF1チームにサポートされる形で、今年からフランスF4選手権でフル参戦。見事な形で初戦・ノガロでデビューを果たした。初日にはテストが行われ、両選手とも全長3.64kmのサーキットのレイアウトに慣れることに集中、荒尾は4番手、野村は14番手で1日を終えた。最終セッションでは、荒尾はトップからわずか0.063秒離れた好タイムをマーク、2番手だった。土曜日のフリー走行でも両選手は3番手、4番手のタイムをマーク、続く予選ではさらに好調だった。荒尾は、わずか0.083秒でポールポジションを逃したものの、デビュー戦をフロントロー2番手スタートとなった。野村は9番グリッドからのスタートとなった。レース3のグリッドポジションは各選手の2番目に早いラップタイムで決定され、ラップペースの速い荒尾は5番手、野村は9番手となった。レースでは新たにタイヤが2タイプ導入され、野村はレース一ではより柔らかいコンパウンドを選択。レース1の1ラップ目ではレースリーダーと同ペースでついて行き、その後も数回、長いストレートからヘアピンカーブに差し掛かるところでオーバーテイクのチャンスがあったが、コースの幅の狭さとレースリーダーのガードの硬さが相待って、リードを奪い取ることはできなかった。しかし、デビュー戦を見事に2番手フィニッシュという結果で終えた。野村も9番手からすぐに2台を追い抜く好調なスタートを決めたが、7位フィニッシュに留まった。しかし、リバースグリッドとなるレース2では、フロントローからのスタートとなった。レース2では、野村はホールショットを決め、途中セーフティカーが入ったが、そのまま優勝。2.248秒の大差で初勝利を獲得した野村は、ファステストラップも決める快走だった。荒尾は、レース2では9位フィニッシュだった。レース3は翌日の月曜日に行われた。荒尾はロケットスタートを決め、5番手から3番手にアップ。次のラップでニュータイヤを選択したドライバーに抜かれ、5位に下がり、そのままレースを終えた。野村は10位フィニッシュ、1ポイントを獲得した。チャンピオンシップでは、荒尾は現在3位、野村は6位。次戦のポーでの公道レースに向け、両選手ともレッドブルのF1工場にあるシミュレーターを駆使して準備する。野村勇斗「予選では自信を持ってチャレンジすることができました。トラックリミットによりベストタイムが無効になりましたが、9番手は獲得できました。レース1では、タイヤを気にしながらもペースは良かったので、レースリーダーを追い抜こうとしましたが、できませんでした。レース2ではトップに出て、ペースも良かったので、リードを広げることができました。途中でセーフティカーによって差がなくなりましたが、再スタートで再びリードを広げ、そのままチェッカーフラグを受けることができました。レース3の後半ではペースが良く、前のドライバーに追いつくことはできましたが、追い越せずに10位フィニッシュとなりました。全体としては、フリー走行では思うような走りができず、少しイライラしましたが、レースではいいペースで走れました」荒尾創大「レース1では気温が低く、タイヤがなかなか暖まらなかったので、できるだけタイヤの温度を上げる走りをしました。結果としては、レース序盤ではハイペースでしたが、グループを引き離すことができず、後半ではタイヤの消耗が激しく2位でフィニッシュしました。レースウイークを通して、初めてのサーキットにもかかわらず、いいポジションで走れたと思います。ただ、この先は新たなコースが多いので、早く慣れることができるように順応性を高めようと思います。また、フォーミュラレーシングで経験をどんどん積むことでタイヤやラップマネージメントスキルを高めたいと思います」