伝説的なF1デザイナーであるゴードン・マーレイが、2019年の女王陛下新年叙勲者リストでCBE(大英勲章第3位)を授与された。元ブラバムとマクラーレンでF1デザイナーを務めたゴードン・マーレイは、生涯のモータースポーツと自動車の分野で画期的なプロジェクトを考案したことにおける“自動車運転への貢献”を称えられての受勲となった。
「女王陛下新年叙勲者でCBEを授かることに心から恐縮しています」とゴードン・マーレイはコメント。「私は50年間以上かけて自分が愛していることをやってきました。世界中、しかし、主に栄光で才能溢れる創造的な人々と仕事をしてきました。F1の全盛期の構想から世界最速のスーパーカーの設計まですべての時間を愛してきました」「私はこの栄誉を長年一緒に仕事をしてきた人々に捧げたいと思います。そして、ゴードン・マーレイ・グループのエキサイティングな新しい未来を楽しみにしています」ゴードン・マーレイは、ブラバムF1チームにテクニカルディレクターとして加入した後、1967年に最初のマシンを設計。ブラバムの1981年と1983年の2回のワールドチャンピオンシップ獲得に貢献した。マシンの後部に巨大なファンが取り付けられた“ブラバム BT46B”は“ファン・カー”として有名だ。その後、マクラーレンに移籍してテクニカルディレクターを務め、1988年にアイルトン・セナが“マクラーレンMP4/4”でチャンピオンを獲得。1989年と1990年のマクラーレンのタイトル獲得に貢献した。F1で50勝を挙げたゴードン・マーレイは、新しいプロジェクトに目を向け、マクラーレン・カーズを設立して“マクラーレン・F1”を世に出した。マクラーレン・F1のGTRレースバーションは、2つのスポーツカータイトルを獲得し、1995年にはル・マン24時間レースを制している。その後、ゴードン・マーレイは、メルセデス・ベンツ SLRマクラーレンのプログラムを含め、マクラーレン・カーズで数々のプロジェクトを成功に導いた。2005年には、自動車のデザイン、エンジニアリング、プロトタイピング、車両開発のための新しい会社“ゴードン・マーレイ・デザイン・リミテッド”を設立。英国サリーの拠点を置く同社は、世界で最も優れた自動車デザインチームのひとつとして知られており、革新的な軽量設計思想「iStream superlight」を発表している。