コスワースは、18,000回転用にエンジンを変更しなければならないが、新チームに競争力のあるエンジンを届けられることに自信を持っている。当初、コスワースは、FIAから自動車メーカーのエンジンに対してパフォーマンス面で劣らぬよう、2010年は20,000回転のエンジンでの運用を許可されていた。だが、F1分裂騒動を鎮静化させるためにレギュレーションは微調整され、その特例はなくなった。
F1に復帰する前に既存メーカーとの対立を避けたいコスワースは、当初の提案ではなく、むしろ18,000回転の制限を受け入れることを申し入れた。そのことで、コスワースエンジンを採用することになっているマノ・グランプリ、カンポス・メタ、USF1は、パフォーマンス面で劣るのではないかとの推測がなされていた。しかし、コスワースは、実際にはその動きから利益が得られるだろうと主張する。コスワースのCEOを務めるティム・ローシスは「我々は潜在的な緊張と、条件に合意することで起こりうる対立を取り除くために、18,000回転制限を提案した」と語る。「十分に早くスタートすれば、元の状態のエンジンが完全に競争力を提供できると確信していた」「再調整したエンジンの結果によって、チームの競争力が劣ることはない。あるとすれば、オイルの熱を減らすことで利益が得られるので、ラジエーターは小さくなり、ドラッグは低下すると思う」「また、摩擦を克服するためにエンジンをより速く回せば多くの燃料が消費されるので、回転数を下げることによって燃料の効率化も改善される」コスワースは、18,000回転に基づいたCA2010のエンジン性能の詳細なシミュレーションを実施。結果は、既存のF1に再選する自動車メーカーの大部分のユニットと同じくらいの競争力があることを示したという。だがコスワースは、一部のFOTAチームが提案する1シーズンあたり一台のマシンにつきエンジンを5基までに制限するとの要求には応えられないとしている。「回転数を18,000回転に下げるコンセプトには完全に満足しているが、エンジンを届けるまでには限られた時間しかないというのが我々の見解だ」「再調整して、エンジンライフを延長するには時間が十分ではない。我々にとっては同意された8基のままである必要がある」またコスワースは、すでにF1プログラムのためにトラックサポートととエンジン製造スタッフのリクルーティングをはじめている。