7月27日(金)、真夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)」の決勝に向けて、フリー走行と計時予選が行われた。青空がのぞき、蒸し暑い天候となったこの日は、午前9時から11時までフリー走行。午後からは、ライダーブルー、イエロー、レッドと分けられた計時予選が、20分ずつ2回行われた。この計時予選では、それぞれのライダーのベストタイムを合算して、平均タイムの上位10チームが翌日に行われるトップ10トライアルに進出。10番手以下のチームは、この計時予選で決勝のスターティンググリッドが決まる。
午前中は、計時予選と決勝に向けての最終調整が行われた。3度も赤旗が出るセッションとなり、路面状況確認のための中断と再開が繰り返された。フリー走行のHonda勢最上位は、3番手のRed Bull Honda with 日本郵便で2分7秒507。5番手にはMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの2分7秒990。S字で水野涼が転倒してしまう場面もあったが、自力でピットに戻り、事なきを得た。続く6番手にKYB MORIWAKI MOTUL RACINGの2分8秒034。FIM世界耐久選手権のタイトルに王手をかけているF.C.C.TSR Honda Franceは、2分8秒422で8番手。11番手につけたau・テルル MotoUP RTは、長島哲太がピットロード入口付近で転倒して赤旗となったが、自力でピットに戻ることができた。午後の計時予選は、気温が33℃、路面温度は49℃でスタート。その後、路面温度はピーク時で53℃まで上がった。計時予選1回目はブルーの腕章をつけたライダーたちが挑み、Red Bull Honda with 日本郵便の高橋巧が走行開始後すぐに2分6秒775と、本レースウイークで初の6秒台にタイムを入れて首位に立つ。そのタイムを超える者は現れず、セッショントップタイムをマーク。続くHonda勢は、MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaのドミニク・エガーターで2分7秒390を記録して4番手。以下、au・テルル MotoUP RTの秋吉耕佑が6番手、Team SuP Dream Hondaの山口辰也が8番手と続いた。F.C.C.TSR Honda Franceは、決勝へのシミュレーションのために走行を使う作戦のため、ライダーたちは燃料をフルタンクで入れて、黙々と走行をこなした。続くライダーイエローの走行セッションでは、今大会唯一のMotoGPライダーとしてRed Bull Honda with 日本郵便の中上貴晶が登場。大きな注目の中でコースインし、2分8秒910を記録してその時点でのトップタイムをたたき出す。ライバルチームにタイムを更新されたものの、中上は2分7秒184までタイムアップ。しかし、その周にスプーンで転倒があって赤旗が提示されたことで、このタイムは記録されなかった。その後、セッションは残り11分の時点で再開。中上は2分7秒195とタイムを詰めるが、トップには及ばず、その直後にヘアピン手前で大きなクラッシュがあり、再び赤旗となる。残り5分15秒で再度セッションがスタートし、中上はこのセッションで3番手。KYB MORIWAKI MOTUL RACINGの高橋裕紀は2分8秒344で6番手に付けた。ライダーレッドの走行は午後2時からとなり、気温も路面温度も上昇する中で走行が始まった。走行開始後すぐにMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaのランディ・ドゥ・プニエが2分7秒219でトップに立つ。Red Bull Honda with 日本郵便のパトリック・ジェイコブセンは2分8秒782で5番手。その後、シケインでの転倒があり赤旗中断。残り13分33秒で再開された。このセッションはドゥ・プニエがトップのまま終了。ジェイコブセンは2分8秒150とタイムアップして4番手となり、6番手にau・テルル MotoUP RTのイサック・ビニャーレスが入った。午後4時15分から行われた計時予選2回目は、気温31℃、路面温度41℃でスタート。Red Bull Honda with 日本郵便は、決勝に向けたセットアップの確認にあて、タイムアップは狙わずに走行したが、高橋が2分7秒509で2番手。4番手にHonda Suzuka Racing Teamの日浦大治朗が2分8秒140を記録したが、2コーナーで転倒してしまい、これ以上のタイムアップはできなかった。ライダーイエローの走行でも、始まってすぐにデグナーで転倒があり、赤旗が提示される。残り16分12秒で再スタートしたセッションで、中上が2分7秒939で4番手、続く5番手には2分8秒068までタイムを上げた長島が浮上する。7番手にはHonda Asia-Dream Racingのトロイ・ハーフォスが2分8秒951と上がってきた。予選最後のセッションとなったライダーレッドの走行では、ジェイコブセンが6番手につけ2分8秒636を記録。8番手のTeam SuP Dream Hondaの作本輝介は2分9秒008をマークし、8秒台まで迫った。計時予選で記録された各ライダーのベストタイムの平均で出された順位では、3番手にRed Bull Honda with 日本郵便が入りHonda勢最上位。5番手にMuSASHi RT HARC-PRO.Honda。7番手にau・テルルMotoUP RT。9番手にKYB MORIWAKI MOTUL RACING。10番手にTeam SuP Dream Hondaが入り、Honda CBR1000RRを駆る5チームがトップ10トライアルの出場権を得た。以下、11番手にHonda Asia-Dream Racing、12番手にF.C.C.TSR Honda France、16番手にHonda Suzuka Racing Teamと続いている。台風12号接近のため、鈴鹿8耐のイベントは中止の発表が相次いでいるが、トップ10トライアルは実施の方向で準備が進められている。もし中止となった場合には、この計時予選の順位が決勝のスターティンググリッドとなる。高橋巧|Red Bull Honda with 日本郵便(3番手)「ライダー3人ともペースが上がって似たようなタイムになってきているので、チームはいい方向に向かっていると思います。自分自身としては正直、もうちょっとタイムを出したかったという思いがあります。昨日までは2分6秒台なんて見えていなかったのですが、すぐに2分6秒台に入ったので、自分自身も含めちょっとずつよくなってきていると感じました。3人で車体セッティングに関して意見を出し合うと、だいたい同じようなコメントが多いんです。1人より3人で進められているのが大きな強みになっていると思います。明日のトップ10トライアルでは、自分自身が最大限にできる力を出します。トップ10トライアルでは気持ちよくタイムが出せていないので。予選用のタイヤを使いこなせなかったというか、あまり好きじゃないので、基本タイムアタックでもレース用タイヤを使ってきました。それでも2分6秒6くらいまで出ているので、明日、もしドライコンディションで走れるなら昨年のタイムを超えたいです。今日のトップタイム、2分5秒1台には驚いていますが、最終的にはレースをトップで終えられることが大事だと考えています。いいパフォーマンスを見せたいという気持ちもありますので、がんばります」中上貴晶|#33 Red Bull Honda with 日本郵便(3番手)「昨日のフリー走行、そして今日の予選2セッ...
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