オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、F1アゼルバイジャンGP決勝でスタート違反による5秒ペナルティを受けながらもリタイアにより消化できなかったが、次戦F1シンガポールGPでのグリッド降格は科されないことが明らかになった。決勝では9番手スタートからわずかに動き出してしまい、直後にアンチストールが作動。スタートで出遅れたうえ、挽回を試みる過程で5コーナーでクラッシュし、今季初のリタイアを喫した。
スチュワードは規則違反を認定し正式に5秒加算ペナルティを科したが、ピットストップを行う前にレースを終えたため消化できなかった。通常であれば、未消化のタイムペナルティは次戦へのグリッド降格に転換される可能性がある。しかし、FIAが今年更新したスチュワード指針によると、単発の5秒ペナルティの場合、リタイアによって未消化となっても次戦への持ち越し処分にはならないと明記されている。複数のペナルティが重なった場合は異なる扱いとなる可能性があるが、今回のピアストリのケースでは対象外となった。同じレースではフェルナンド・アロンソもピアストリの動きに反応してジャンプスタートを取り、5秒ペナルティを受けたが、こちらはレース中に消化しているため問題は発生しなかった。この決定により、ピアストリはシンガポールGPで本来のグリッド位置を守ることができ、バクーでの痛恨の失点から選手権リードを立て直すチャンスを得ることとなった。
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