今やタイトル争いで本気でチャンスを持つのはマクラーレンのドライバーたちだけとなり、イギリスのチーム内では徐々に感情が高ぶってきている。しかしオスカー・ピアストリによれば、それは問題ではないという。なぜならチームにはひとつの黄金ルールが存在するからだ。今シーズンのマクラーレンが圧倒的に強力であることは、シーズン前半戦を終えた今、もはや否定できない。
例外的なケースを除けばマクラーレンがレースを支配しており、その結果、両選手権においても有望な展望をもたらしている。マクラーレンはコンストラクターズ選手権で大きくリードしており、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリは主にドライバーズタイトルを巡ってチーム内で争っている。マックス・フェルスタッペンは3位に位置しているが、両マクラーレン勢にほぼ100ポイント差をつけられており、現状の力関係ではタイトル争いに大きな役割を果たすことはなさそうだ。しかし、マクラーレン内部の争いが問題を引き起こす可能性はあることが、今シーズン序盤にすでに示されている。カナダではノリスの楽観的な動きで2人が接触し、ピアストリはオーストリアやハンガリーでクラッシュ寸前の状況を辛うじて回避している。したがってマクラーレンは、この状況を良い結末に導くために介入する必要があるだろう。昨シーズンはそれが必ずしもうまくいったわけではなかった。イギリスのチームはしばしば「パパイヤ・ルール」と呼ばれるものに苦労していたのだ。あるレースではチームが動くのを遅らせ、別のグランプリではチームオーダーを発動して物議を醸した。要するに厄介な状況だったが、ピアストリによれば、チームは十分にマネジメントできているという。「まあ、『パパイヤ・ルール』というのは実際よりも大げさに言われていただけだ。実際には文字通りひとつしかルールがなく、それは『クラッシュしてはいけない』というもの。まあ、それはどのチームにも存在する不文律なんだけどね」とオーストラリア人はAutosportとのインタビューで語った。「僕たちは常に、どうレースに取り組み、どうアプローチするかについてオープンだ。お互いにサプライズがないように心掛けている。それが一番の焦点で、そうしたことが予期せぬ時に起きると厄介だからね」さらにピアストリは、昨年のような問題はもう起きないと確信している。なぜならチームが今年は別のマインドセットで臨んでいるからだ。「それは僕たちの強みのひとつだと思う。今年もコンストラクターズタイトルとドライバーズタイトルの両方を争えるという知識を持ってスタートしたんだ。去年のマシンをあとほんの少し改善できれば可能だったから」「それに僕たち2人ともその戦いに関与できるのは当然のことだった。だから早い段階でそのことをチームに示したんだ。まだ学んでいるところで、予測できない状況はこれからも起きるだろうけどね」「でも、ここまでのところ僕たちは可能な限りうまくやっていると思う。すべてを追求し、リアクティブではなくプロアクティブに対応しようとしているんだ」
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