マックス・フェルスタッペンは、今季のF1タイトル争いが激しさを増す中で、オスカー・ピアストリに有利なスチュワード判断の「偏り」が存在することについて警告を受けている。1997年のF1ワールドチャンピオンであるジャック・ヴィルヌーヴは、フェルスタッペンがFIAからペナルティを受けるような場面でも、マクラーレンのピアストリなら処罰を免れる可能性があると指摘。これが、F1通算6勝を挙げているピアストリにとって「チャンピオン争いにおいて大きな助けになる」と述べた。
ヴィルヌーヴは、ピアストリがチャンピオン争いの重圧にどう対応しているかについても注目し、同じオーストラリア出身の元F1ドライバーであるマーク・ウェバーの存在が精神的な支えとなっていると強調した。「オスカー・ピアストリはプレッシャーに動じていないように見えるし、マーク・ウェバーという良きメンターがいる」とヴィルヌーヴはVision4Sportに語った。「ウェバーはピアストリが頼れる存在だ。父親的存在とまでは言わないが、2人の間にはエネルギーのバランスがある。それがとても助けになっている」「ピアストリは今、皆に愛されている。まさに“ゴールデンチャイルド”だ。何かが起きても、マックス・フェルスタッペンのようには簡単にペナルティを受けない。これもタイトル争いをする上で大きな助けになる」24歳のピアストリは、シーズン序盤からフェルスタッペンに対して冷静かつ的確な対応を見せており、サウジアラビアとマイアミではレッドブルのエースを下して勝利を挙げた。この活躍により、現在ドライバーズランキングではチームメイトのランド・ノリスに16ポイント差をつけてリードしている。さらにヴィルヌーヴは、ピアストリにとって最大の脅威の一人がチームメイトのノリスであることを認めつつも、過去の例としてルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグによるメルセデス内のタイトル争いを引き合いに出し、同様の“内紛”がフェルスタッペンの障害になり得ると語った。「ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグがタイトル争いをしていたときを思い出す」と54歳のヴィルヌーヴは続けた。「まったく同じ動きをしても、ニコはペナルティを受けた。一方で次のレースでルイスが同じ動きをしても、ペナルティは出なかった」「そこには微妙な偏りが存在していたし、それは人間的なもので避けられない。そして今のピアストリは、その偏りの“正しい側”にいる」