SUPER GT オートポリス戦が、6月1日(日)に決勝の300kmレースが行われ、ポールポジションスタートの#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が一度も首位を譲らずに完勝。同予選2位の#46 S Road MOLA GT-R(本山哲/柳田真孝)が決勝も2位、予選4番手の#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が3位に入り、1995年以来となるGT-Rによる表彰台独占を達成した。
予選、決勝ともに好天に恵まれ、二日間合計で38,200名もの観客がオートポリスに集まりまった。前日の予選では、新型GT500車両はこれまでのコースレコードを4秒も縮める速さをみせたが、中でもフロントローに並んだ2台のNISSAN GT-R GT500の速さは際立っていた。午後2時過ぎにレースがクリーンスタートすると、クインタレッリがドライブする#23 GT-Rは、序盤からハイペースで後続を引き離しにかかる。本山がスタートを担当した#46 GT-Rは一時#23から4秒ほど離されるが、徐々にギャップを縮め27周目には#23の背後につけ、オーバーテイクのチャンスを待つ。逃げ切りたい#23はペースを上げるが、先行車につまずいた際に#46 GT-Rと軽く接触。しかし、お互いにダメージは少なく、そのまま周回を続け、#23 GT-Rは首位のまま37周目にピットインし、松田にステアリングを託す。一方の#46 GT-Rは、30周目に柳田に交代するためピットインを済ませており、後半もGT-Rの1-2態勢は不動だったが、終盤にさしかかった時点で第1コーナーにて大きなクラッシュが発生。セーフティカー(SC)が導入され、レースは中断される。このSCランにより、2台のGT-Rが築いたマージンは帳消しとなった。しかし、グリーンフラッグが振られ、残り9周でレースが再開されると#23 GT-Rの松田は速いペースで逃げ切り態勢をとり、65周目のチェッカーフラッグをトップでくぐり抜けた。また、柳田の#46 GT-Rも約6秒差の2位でフィニッシュ。前半に4位から一時5位に順位を落とすものの、#12 GT-Rのオリベイラはその後挽回して3位に上がり、そのままマシンを安田に繋ぐ。SCランを経て3位を維持していた安田は、マシントラブルのために終盤には後続のレクサスRC Fに背後に迫られたが、粘り強い走りでポジションをキープ。3位でゴールし、表彰台の3番目のステップに上った。#12 GT-Rは開幕戦で3位、前戦富士では優勝しており、今回の3位入賞によりシリーズポイントのリードをさらに広げた。日産系チーム総監督 柿元邦彦「やっとNISMOが優勝を果たし、あわせてNISSAN GT-Rが1-2-3フィニッシュを達成できてホッとしています。しかし、SCカーが導入されてマージンが消えてしまったので、最後は本当にハラハラしましたね。今年のGT-Rの強さの要因のひとつには、新しい直噴4気筒ターボエンジンの強さがあると思います。終盤の安田の粘りをみてもわかるように、中低速コーナーで後ろに迫るライバルを引き離すことができます。これからシーズン残り全戦で、4台のGT-Rのうち1〜2台を表彰台に上げたいですね。ご声援ありがとうございました」#23 GT-Rドライバー 松田次生「NISMOに移籍した今年、最初の2戦は悔しい思いをしたので、解決するために何度もチームとミーティングを重ねました。しかし、今回は昨日の予選から流れも良く、チームが僕らドライバーの要望どおりのクルマに仕上げてくれて、それがタイヤと非常にマッチしたことがすべてです。終わってみればこんな完勝ができると思わなかったけど、SCが入った時には、簡単に勝たせてはくれないな、と不安になりました。なので、リスタート後はフルプッシュしました。普通は優勝した後泣いたりしませんが、今回はチェッカーを受けたあと泣けてきました」#23 GT-Rドライバー ロニー・クインタレッリ「日産・NISMOファンの皆さん、お待たせしました。去年も何度か勝てるチャンスはあったけど、今年は3戦目でやっとまともなレースができました。思ったよりタイヤとマシンの状態が良く、前半からプッシュできたし、タイヤもセーブできました。46号車に追いつかれた時は、前のクルマが譲ってくれなかったので、接触してしまいましたが、大きなダメージにならなくて良かった。良い(マシンの)パッケージを見つけたので、次のSUGOもこれをベースに調整していけば良い結果が狙えると思います」
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