日産は、新たに挑むル・マン及びFIA世界耐久選手権(WEC)のLMP1(ル・マン プロトタイプ1)チームに起用する米国人ドライバーの発掘を始める。これにより、ゲーマー出身ドライバーにも、カテゴリー最高峰への門戸が開くことになる。日産が展開するGTアカデミーは、モータースポーツ史上、最も革新的なドライバー発掘プログラムとして既にその名を広めている。
過去6年間、GTアカデミーには、プレイステーションを通じて500万人以上のエントリーが集まった。グランツーリスモの中で日産車がバーチャル上で走行した距離はのべ10億マイルを超え、このプログラムのTV番組の視聴者は世界各国で1億2000万人以上に上る。元米国GTアカデミー勝者、ブライアン・ハイトコッター(2011年)、スティーブ・ドハティ(2012年)、ニック・マクミレン(2013年)に加え、過去の米国ファイナリストたちには、新たに立ち上げる日産LMP1チームのテストを受けるチャンスが与えられる。この日産LMP1チームの目標は、先のニスモ創立30周年のニュースに続き、FIA WEC(世界耐久選手権)の米国戦が開催されるサーキット・オブ・アメリカで発表された。日産の新たなLMP1チームは、米国にも拠点を置き、温暖な気候に恵まれた南部のサーキット施設を活用して、来年からアウディ、ポルシェ、トヨタと争いを繰り広げる新マシンのテストを行っていく。チームは現在、新たな米国での拠点地として、チャンピオンカーチーム、フォーサイス・レーシングが以前インディアナポリスに所有していた本拠地を建て直している。「GTアカデミーの米国勝者は全員が、世界各国のトップレベルイベントで勝利を収めています」とニスモのグローバルヘッドオブブランド、マーケティング&セールス、ダレン・コックスは述べた。「しかし、私たちは毎年、彼ら以外にも素晴らしい才能を秘めた人材を、まさにあり余るほど目にしてきたのです。勝ち抜くことができなかった者の中には、GTアカデミーをきっかけとして、モータースポーツキャリアを積み始めたドライバーもいます」「私たちは、さらに他のドライバーにも目を向けて、彼らの潜在能力に注目したいと思っています。そして、その中から、日産でル・マンのLMP1をドライブする者も出てくるかもしれません」日産は、来年からヨーロピアン・ル・マン・シリーズで導入される、新設のLMP3クラスにおいて単独エンジンサプライヤーになることを発表しました。「引き続き私たちは、最もふさわしいGTアカデミーの卒業生を見いだし、LMP3マシンに乗せることを目指して幅広いプログラムを展開していきます。次のステップが、LMP2でのル・マン24時間レース参戦となります。私たちは、あらゆる方法を使ってドライバーを育成し、次のレベルに引き上げて行かなければなりませんが、彼らもまたステップアップをしていかなくてはならないのです」とコックスは述べました。「単に才能を発掘してLMP1マシンに乗せるだけではありません。彼らが研鑽を積んでいけば、チャンスはさらに広がるのです」「プロトタイプのマシンで経験を積むことは、育成の段階において重要な要素となります。今の段階でも、ヨーロッパから多くのGTアカデミー勝者がLMP1プログラムを目指しています。彼らの多くが、既にLMP2でレースを経験しています」日産LMP1チームは様々な顔が揃っている。技術面では、チームは米国、英国、フランス、ブラジルなど様々な国からスタッフが集まっている。もちろん日本からの才能や経験も、重要な役割を担う。チームの拠点はヨーロッパとなるが、運営は日本にあるニスモの本社が行い、さらに米国インディアナポリスにも新たな拠点を構える。日産のチーム首脳陣は、2016年、このサーキット・オブ・アメリカでNISSAN GT-R LM NISMOに米国人ドライバーを乗せることを目指している。GTアカデミーは、2014年、新しい地域へも進出。これまでの北米、ドイツ、ヨーロッパに加え、メキシコ、中東、アジア、オーストラリアでも大会を開催する。ハイトコッターとドハティは、サーキット・オブ・アメリカで開催されるコンチネンタルタイヤ・スポーツカー・チャレンジに、スカルキャンディ・チーム・ニッサンのチームメイトとしてニッサン・アルティマ3.5で参戦する。2013年米国勝者のマクミレンも、ブランパン耐久シリーズのニュルブルクリンク戦に、ニッサンGTアカデミー・チームRJNから参戦する。
全文を読む