2年連続でトップでル・マン24時間レースのチェッカーを受けた中嶋一貴だったが、その目には喜びとは異なる複雑な涙が浮かんでいた。今年のレースでは大部分でトヨタの7号車がリード。しかし、残り1時間のところで7号車のタイヤが2度もパンクするというトラブルが発生。2分以上のリードを失い、中嶋一貴がドライブする8号車がトップに躍り出た。
7号車をドライブするホセ・マリア・ロペスは必死で遅れを取り戻そうとするが届かず。トヨタ8号車がル・マン2連覇を達成するとともに、WECワールドチャンピオンに輝いた。だが、チェッカー後のパルクフェリペで小林可夢偉と抱き合った中嶋一貴の目には涙が溢れ出した。2016年に残り3分で勝利を失った中嶋一貴には思うところがあったのかもしれない。「チャンピオンを獲るために頑張ってきたので、最後まで走り切れたことが何よりだと思いますが、でも、7号車のレースだったと思うので・・・何も言えないです」と中嶋一貴はコメント。「いいレースは見せられたのかなと思いますけど、相変わらずル・マンって酷なレースだなと改めて思いました。けど、少しでも24時間長いレース楽しんでいただけたら何よりだと思いますし、来年以降もこうやっていいレースを見せれるように頑張っていくので、また是非応援してもらえたらなと思います」