自己最高の5番グリッドを獲得し、今シーズン初ポイント獲得に期待がかかった中嶋一貴。序盤は4番手を走行するなど大きな結果を予感させたが、結果は11位。多くのチームがソフト側のタイヤをメインで使用するなか、ウィリアムズはハード−ハード−ソフトというタイヤ戦略を採用。その戦略に疑問符が付いたが、中嶋一貴はレース後にソフトタイヤが余っていなかったことを明らかにした。
「新品のソフトが余っていなかったので、戦略は間違っていなかったと思います」と中嶋一貴はコメントしている。ハードをメインで使用したのは、ウィリアムズ勢とルノーのフェルナンド・アロンソ、マクラーレンのヘイキ・コバライネンの4名のみ。アロンソも予選でソフトを使い果たしてしまったのだろう。また、中嶋一貴は全マシンのなかで最も軽い燃料という負の要素もあった。15周目にピットインした中嶋一貴だが、周りのマシンの多くはその3周以降のピットインだった。1回目の給油後にハードを履いた中嶋一貴は、イギリスの低い気温でタイヤのパフォーマンスを引き出せず、大きく順位を落としてしまった。ブラウンGPのルーベンス・バリチェロが、0.14秒差だったマーク・ウェバーに1周差のピットインで逆転されたのをみても、第2スティントでのハードがどれだけ困難だったかがわかる。一貴の後ろの5番手を走行し、一貴の1周後の16周目にピットインしたライコネンも8位でレースを終えている。ただし、ライコネンはソフト−ソフト−ハードというタイヤ戦略だった。しかし、一貴の1回目のピットストップをみていると、ウィリアムズのクルーはタイヤ交換に手間取っており、ミドルスティントがそれほど長くなかったことからも確実にロスしていたのがわかる。チームメイトのロズベルグが完璧なピットストップをみせ5位入賞を果たしただけに残念だ。(F1-Gate.com)F1 イギリスGP タイヤ戦略順位予選ドライバー1st2nd3rd11セバスチャン・ベッテルSoftSoftHard23マーク・ウェバーSoftSoftHard32ルーベンス・バリチェロSoftHardSoft411フェリペ・マッサSoftSoftHard57ニコ・ロズベルグHardHardSoft66ジェンソン・バトンSoftHardSoft74ヤルノ・トゥルーリSoftSoftHard89キミ・ライコネンSoftSoftHard98ティモ・グロックSoftSoftHard1016ジャンカルロ・フィジケラSoftSoftHard115中嶋一貴HardHardSoft1214ネルソン・ピケJr.HardSoft 1312ロバート・クビサHardSoftSoft1410フェルナンド・アロンソHardHardSoft1515ニック・ハイドフェルドSoftHardSoft1619ルイス・ハミルトンSoftSoftHard1718エイドリアン・スーティルHardSoft 1820セバスチャン・ブエミSoftSoftHard-17セバスチャン・ブルデーHardSoftSoft-13ヘイキ・コバライネンSoftHard(Hard)