ロッシが8位、ビニャーレスは最終周トップ奪還中に転倒リタイヤMonster Energy Yamaha MotoGPのふたりはフィリップアイランドの決勝で果敢な走り。バレンティーノ・ロッシはロケットスタートから一時レースをリードしたものの徐々に後退して8位。マーベリック・ビニャーレスは合計16ラップでトップを走行していたが、最終ラップで2番手走行中、ハイスピードから転倒してリタイアに終わっている。
自己通算400回目のグランプリ出場となったロッシ。グリッド4番手から絶好のスタートを切り、ライバルたちをアウト側から抜き去って真っ先に第1コーナーへ。第2セクションを過ぎるころにはアドバンテージを0.6秒まで拡大してレースをリードした。しかしまもなく後続集団に追いつかれると徐々に遅れて8番手まで後退。レース中盤には第2集団の先頭へ出て4番手まで浮上しているが、再び後方からの追撃を受けて集団に飲み込まれる形となった。最終的にはトップから15.841秒離されて8位でチェッカーを受けた。チームメイトのビニャーレスはポールポジションからスタートしたあと、第1コーナーの混乱に巻き込まれて後退。6番手から挽回を狙う展開となり、その後ロッシを含め2台をとらえて4番手に浮上した。次のターゲットはA・イアンノーネ(アプリリア)、M・マルケス、C・クラッチロー(ともにホンダ)の3人。ひとりずつ着実にパスしてゆくと、10ラップ目にはついにトップに躍り出た。ここから16ラップにわたってポジションをキープしたが、背後にぴったりつけてきていたマルケスに最終ラップ直前のストレートで先行を許してしまう。ビニャーレスはあきらめずに全力でトップ奪還を目指したが、最終の高速セクションで転倒を喫してリタイアを余儀なくされた。幸い怪我はなかった。シリーズポイントでは、ビニャーレスがランキング3位に7ポイント差の4位。一方のロッシはビニャーレスから23ポイント差でランキング7位となっている。ヤマハはコンストラクターズ・ランキング3位をキープ。Monster Energy Yamaha MotoGPもチーム・ランキング3位を維持している。PETRONAS Yamaha SRTは悔しい結果PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamはフランコ・モルビデリが11位、ファビオ・クアルタラロはオープニングラップで他車に接触されて転倒リタイアとなった。強風と難しいコンディションにもかかわらず、ここまで好調をキープしてきたモルビデリだが、スケジュール変更によって今日の午前中に行われた予選セッションでは思うようにペースを上げることができなかった。決勝のスタートで14番手に後退したあと、少しずつ挽回していったものの11位に留まっている。一方のクアルタラロは金曜日のフリープラクティス第1セッションで転倒して足首を負傷。厳しい状況のなかでも予選2番手を獲得し、フロントローから絶好のスタートを切った。しかしオープニングラップでややはらんだところへ、後方で転倒したマシンがヒット。この衝撃でクアルタラロも転倒し、そのままリタイアを余儀なくされた。シリーズポイントではクアルタラロが6位、モルビデリが10位をキープ。PETRONAS Yamaha SRTはサテライト・チームのランキング・トップと全体のチーム・ランキング4位をキープしている。次回、マレーシアGPは11月1日~3日、セパン・インターナショナル・サーキットで開催される。Monster Energy Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ(8位)「絶好のスタートを切り、しばらくの間でもトップを走行して、400回目のグランプリを自ら祝うことができて良かったです。最終的には残念な結果になってしまいましたが、表彰台に上ったジャック・ミラーからそれほど大きく離されたわけではなかったし、昨日までと比べて良い走りができていました。いずれにしても、私たちはもっともっと強くならなければなりません。ひたすらハードワークを重ね、成果が現れるのを待つだけです。フィリップアイランドのレースはいつでも素晴らしいのですが、今日は最後に厳しいバトルになりました」マーベリック・ビニャーレス(DNF)「マルクが最後に仕掛けてくるとすればブレーキングを遅らせるので、その可能性を考えて、それまで以上に縁石に近づけて最終ラップに挑みました。しかし彼は、スタート/フィニッシュラインの手前で抜いていったのです。そこで私は第10コーナーで抜き返すために第3セクションを全力で攻めていきました。ですから、あのときすでにブレーキングせずに飛び込んでいく準備ができていたのです。しかしリアがロックして投げ出されてしまいました。今日は2位ではなく、勝つべきレースでした。チャンスがあると思ったので挑んでいったのです。優勝は逃しましたが、非常にポジティブなレースだったと感じています。転倒してしまいましたが、満足しています。毎ラップ、ベストを尽くし、マシンもとてもよく走ってくれました」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「望んでいたような結果にはなりませんでした。バレンティーノは絶好のスタートを切りましたが、27ラップにわたってトップ・ペースを維持することはできませんでした。タイヤ・グリップが低下していましたし、トップスピードの差も感じていましたが、彼は今週、確実に前進し、上位グループでバトルすることができました。結果は8位ですが、3位から大きく離されたわけではありません。マーベリックはそれとはまったく別の展開となりました。スタート直後の第1コーナーで後退したあと、懸命の挽回で10ラップ目にトップに立つと最終ラップまでレースをリードしました。ここまで絶好調だっただけに転倒はとても残念ですが、怪我がなかったことは幸いです。限界まで攻め、最終ラップまで優勝を賭けて戦うときには、このようなことも起こり得るのです。そのなかでも今回、どのようなコンディションでも力強く戦えることを証明できたことは収穫です。これからは来週のマレーシアGPに全力を注ぎ、そのあとはいよいよ、今シーズンの最終ラウンド、バレンシアへと向かいます」PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamフランコ・モルビデリ(11位)「とても難しいレースでした。今朝の予選のときからすでに苦戦を強いられていたのです。昨日までは非常にフィーリングが良かったのでグリッド好位置を狙っていましたが、今朝は大幅にパフォーマンスが低下。その結果、望んでいたポジションからスタートすることができず、そこからの挽回も思うようにいきませんでした。タイヤをコントロールしながら、毎ラップ丁寧に正確な走りを心掛けましたが、ペースは上がり...
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