Monster Energy Yamaha MotoGPは6位と10位ハーフ・ウエット、ハーフ・ドライの難しいコンディションで行われたチェコGP決勝。Monster Energy Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシとマーベリック・ビニャーレスは好調を維持することができず苦戦した。開始予定時刻の14:00の時点では、コースのほとんどが乾いているがメイン・ストレートから第1セクションがウエットで滑りやすくなっていたため、進行を遅らせて、さらに1ラップ減算して行われることとなった。
40分間も待たされたあともロッシの集中力は失われてはいなかった。グリッド7位から飛び出して6番手で第1コーナーへ進入。しかし前を行くP・エスパルガロのペースが上がらないためトップ4台との差が開いてゆく。4ラップ目でようやくパスして前方が開けると、ロッシはすぐさま1分57秒台に入れて追撃を開始。ところが今度は後方からC・クラッチローが迫り、激しくプレッシャーをかけてきた。7ラップ目にはこれに先行を許して再び6番手に後退し、そのあとは単独走行を続けてチェッカー。トップとの差は9.083秒まで開いていた。一方のビニャーレスは、路面が濡れている側のグリッド9位。そのためスタート・ダッシュが決まらず順位を下げ、1ラップ目終了時点で15番手まで後退してしまった。その後もなかなかコース・コンディションの感触がつかめずに手間取っていたが、5ラップもすると調子を取り戻して13番手まで挽回。さらに4ラップ後にはM・オリベイラをとらえて12番手へ浮上した。11番手との差は大きく開いていたが、着実にこれを詰めていってF・バグナイアをパス。さらにペースを上げるとP・エスパルガロと中上貴晶の9位争いに追いつき、残り5ラップではトップタイムをマークするほどの好調ぶりを見せた。そして残り2ラップでエスパルガロをパスして10位。しかし中上には届かずそのままゴールした。トップとの差は16.558秒。この結果、ビニャーレスはランキング5位をキープ。ロッシが1ポイント差の6位となっている。ヤマハはコンストラクターズ・ランキング3位。Monster Energy Yamaha MotoGPもチーム・ランキング3位を維持している。クアルタラロは好調を維持。モルビデリはリタイアPETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのファビオ・クアルタラロが7位獲得と健闘。チームメイトのフランコ・モルビデリは1ラップ目、他車に接触されて転倒し、そのままリタイアとなった。クアルタラロはグリッド10番手から好スタート。ウエットとドライが混在するコンディションで初めてのレースにもかかわらず、多くのライダーを追い詰め、追い抜いて、序盤から5位争いを展開。最終的にはバレンティーノ・ロッシに続く7位でチェッカーを受けた。一方のモルビデリはオープニングラップでJ・ザルコに接触され、J・ミルとともにコースアウトして転倒。再スタートすることができず、そのままリタイアを余儀なくされた。フリープラクティスのなかでは順調にセッティング作業を進めており、手ごたえをつかんでいただけに悔しい結果。次戦に向けて意欲を燃やしている。明日、月曜日はここブルノ・サーキットでオフィシャル・テストに参加。そのあと来週末のオーストリアGPへと向かう。Monster Energy Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ(6位)「午後2時のスタートは非常に危険でした。とくに第1セクションはフル・ウエットの状態だったので、スリック・タイヤで皆が一斉に第1コーナーに飛び込むとなれば大変なことになってしまいます。私から見れば、これは最も危険な行為のひとつです。だからスタート時刻を遅らせてもらうよう頼んだのです。その結果、最後は完全なドライ・コンディションでレースができたのですから、正しい判断だったと思っています。6位にはもちろん満足していませんが、より良い状態でマシンを走らせることができましたし、終盤はかなり好調でした。上位数台のペースは速く、追いつくことはできませんでしたが、このところの数戦と比べれば状況は良くなっています。明日はこのコースでテストを予定しており、新しいエンジン・スペックを含めて試してみたいことがいくつかあります。とても重要な一日になるはずです」マーベリック・ビニャーレス(10位)「グリッドの右側のほうは路面が濡れていて、私はそちら側からのスタートだったので少し不利な状況でした。でも目の前、つまり私と同じ右サイドに並んだアレックス(リンス)は大丈夫だったみたいです。私は午前中のウォームアップ・セッションのときよりグリップが落ちてしまっているように感じたのですが、これは今回に限らずよく起こることなので改善の必要があると思っています。明日はテストがありますが、2020年のことは遠すぎてまだ考えたくありません。次のオーストリアでトップを目指すために、マシンのパフォーマンス向上を追求したいと思っています」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「スタート前に突然、雨が降り出しました。このような場合、いつも苦戦を強いられるので私たちにとっては大変、厳しい状況でした。レース後には、ふたりから異なる感想が聞かれ、バレンティーノは午前中のウォームアップよりも午後の決勝のほうが好調だったと言い、マーベリックはそのまったく逆だったのです。バレンティーノは好スタートを切りましたが、ポル・エスパルガロの後ろでしばらく手間取り、ようやくパスしたあとは最善のポジションを目指して最大限、努力してくれました。マーベリックはグリッドの濡れているほうからのスタートだったので、初めに15位まで下げてしまって追い上げに苦戦しました。このところはフリープラクティスでいい走りを見せてくれていたので、ここでチャンスを逸してしまったことはとても残念です。明日のオフィシャルテストは重要になるので、ドライ・コンディションを期待しています」PETRONAS Yamaha Sepan Racing Teamフランコ・モルビデリ(DNF)「ウォームアップでマシンに好感触をつかんでいて、きっといいレースができると思っていただけに残念な結果になってしまいました。ザルコが、決して優雅ではないやり方でパスを仕掛けてきたことは間違いありません。しかし、これがレースというものなのです。私としては来週の戦いのなかで力強く復活できるよう頑張るだけです。明日のテストは、マシンの改良だけでなく、今日、背負わされた重荷を下ろすためにも重要なものとなるでしょう。また、時間を空けずにすぐ次のレースに挑めることも良かったと思っています」ファビオ・クアルタラロ(7位)「昨日が最悪だったので、今日の目標はトップ8とトップ・ルーキーに置いていまし...
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