ビニャーレスが3位で今季初表彰台、ロッシは13番グリッドから6位を獲得Monster Energy MotoGPのマーベリック・ビニャーレスは好スタートから終盤での目覚ましい追い上げで見事、3位を獲得しランキング6位へ浮上。一方、グリッド5列目からスタートしたロッシは厳しい戦いを強いられたが、中段の混戦を潜り抜け、最後は6位でチェッカーを受けた。
ビニャーレスは5番グリッドから絶好のスタート。すぐさま全力でプッシュし、第1コーナーを4番手で抜けてトップグループに食らいついてゆく。レース中盤に差し掛かる頃には前のPETRONAS Yamaha SRTの2台が互いにバトルする間に着々と差を詰めるも、背後にはA・リンス(スズキ)が迫り4番手の座を明け渡すことに。13ラップ目、ファビオ・クアルタラロがトラブルで戦列を離れたためビニャーレスは自動的にひとつ上げて4番手。2ラップ後にはフランコ・モルビデリをとらえてついに3番手へと浮上した。トップ2台はすでにアドバンテージを広げていたが、その後もペースを緩めることなく走行を続け、終盤ではA・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)の激しい追撃を振り切った。この間に多くのセクションで自己ベストを更新したほか1分38秒157のベストラップも記録。最終的にはトップに2.443秒差でチェッカーを受け、3位表彰台を獲得した。ロッシもまた、最終ラップまで懸命の走りを続けた。13番グリッド、5列目からのスタートと苦しい状況だったが、ベテランらしい巧みさを見せてスタート直後にふたつポジションを上げると、そのすぐあとにもう1台パスして10番手につけた。その後は前後ハードコンパウンドのタイヤをセーブしながらペースを抑えて走行。クアルタラロのリタイアによって9番手に上がったあともそのポジションをキープしていたが、残り8ラップになってから一気にペースアップ。2ラップの間に3台をパスし、残り5ラップで6番手に浮上した。この時点で5番手との差は2秒ほどあり、最後までプッシュし続けるも届かなかった。トップから7.547秒離されて5位でチェッカーを受けたロッシは貴重な10ポイントを手中にし、シリーズポイントではトップに9ポイント差の4位。一方のビニャーレスはランキング12位から6位へジャンプアップ。トップとの差は40ポイントとなっている。コンストラクターズランキングではヤマハが4位。チームランキングでは2位につけている。チームは翌月曜日にIRTAテストに参加したあと、次回フランスGP出場のためル・マンへ向かう。モルビデリがトップサテライトとなる7位、クアルタラロは不運なリタイアグリッド1-2からスタートしたPETRONAS Yamaha Sepang Racing Team。2台とも序盤から果敢に攻めて順調に走行を続け、ほとんどの時間帯でトップ3をキープした。フランコ・モルビデリは終盤で下げたものの7位でチェッカーを受けてサテライト勢トップ。一方のファビオ・クアルタラロは2位走行中にギアシフトのトラブルが発生してリタイアとなった。モルビデリは前回に続いてトップ10入り。2番グリッドから好スタートを切って15ラップ目までは表彰台圏内を維持していたが、その後トップグループから徐々に離された。終盤はトップサテライトの座を守り切ることに集中し、チーム初の栄誉を受けた。ポールシッターのクアルタラロも序盤で2位につけてそのままハイペースをキープ。力強い走りで表彰台獲得が期待されたが、残り11ラップで不運なトラブルに見舞われてリタイアを余儀なくされた。この結果、モルビデリはシリーズポイントで合計25ポイントのランキング10位、クアルタラロは合計17ポイントでランキング13位となり、トップルーキーを維持している。Monster Energy Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス (3位)「表彰台に上ることは、今の私にとって優勝と同じような感覚です。ドビツィオーゾとペトルッチがついて来たときには、ひたすらベストの走りを心掛けました。実際、この頃にはタイヤをかなり消耗していたので苦しかったのですが、何とか抑え切ることができてハッピーです。もしもあと数ラップあったら、どうなっていたかわかりません。今回、このようにして私たちの実力を証明できたことがとても重要だと思っています。私たち自身も自信を取り戻すことができました。決勝前のセッティング変更によってスタートでの安定性が増していたので、精確な操作によってポジションをひとつ上げ、さらにレース中にももう1台パスすることができました。ウイークを通じてずっとよい仕事ができていたので、その成果が出たと思います。昨日のフリープラクティス第3セッションではQ2進出のチャンスを逃してしまいましたが、そのあと大幅に挽回することができたのです。今日のレースで自分たちの立ち位置をしっかり確認でき、トップとの差も決して大きくないことがわかりました。今後はコンスタントに表彰台に上ることが目標になります。全力を尽くせば頂点も不可能ではありません。だからレースが終わっても休む暇はありません。明日は1日テストを行い、次のル・マンに備えます」バレンティーノ・ロッシ (6位)「決勝スタート前、最後の最後にタイヤを決めました。私はミディアムコンパウンドでいきたかったのですが、みるみるうちに気温が上がってきたので、"ミディアムか?ハードか?"を何度も繰り返した末にハードコンパウンドを選択したのです。これは大きな決断でした。マーベリックは結局ミディアムを選んだので、もしそうしていたら、という気持ちもあります。私は好スタートを切りましたが、序盤はあまりペースを上げられませんでした。でも後半からはペースが上がりオーバーテイクも楽にできるようになりました。その結果としてこうして貴重なポイントを獲得できたことは、チャンピオンシップ全体を考えたときにとても重要なことだと思います。しかしもしも、序盤でもっと前へ行っていたとしたら、マーベリックと同様にトップグループについて行くことができたかもしれません。今日はレースペースが非常に速く、私自身も去年と比べたら25秒くらい速くなっています。それでもトップとの差は少なくなり、マシンの感触がよくなっているので手ごたえを感じます。とくに最終ラップは絶好調でした。次のレースが楽しみです」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「昨日のフリープラクティス第3セッションのことを考えれば、すばらしい結果となりました。ビニャーレス選手についてはフリープラクティス第4セッションでよいセッティングが見つかって、今...
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