MotoGP 第11戦 オーストリアGPで、Movistar Yamaha MotoGPはマーベリック・ビニャーレスが11番手で4列目、バレンティーノ・ロッシが14番手5列目から決勝へ挑むことになった。マーベリック・ビニャーレスは、Q2で2回のピットインを行う作戦をとり11番手。チームメイトのバレンティーノ・ロッシは、ウエットコンディションとなったフリープラクティス第3セッションでトップ10入りを逃しQ1に臨んだが、Q2進出にはわずかに届かず14番グリッドとなった。
Q2に進出したマーベリック・ビニャーレスは、序盤から積極的にペースを上げて一旦は6番手へ浮上。その後ピットに戻ると、8分強を残して2度目のトライに臨んだ。ここで1分24秒831を記録したが順位を上げることはできないまま、残り4分半で再びピットイン。作業を終えると残り時間は2分半となり、この時点で順位は12番手まで後退していた。残されたチャンスはあと2回。1回目で1分24秒284へ更新して11番手に上がり、さらにアタックを続けて最後の周回を全力で走り切ったが、タイムを更新することはできなかった。明日の決勝はグリッド4列目の真ん中からスタートする。一方、Q1からの挽回を狙ったバレンティーノ・ロッシは、テールについて来ようとする大勢のライダーを牽制するため序盤はペースを抑え、最初のアタックで8番手につけた。その後、2周続けてタイムを更新し、この日、初めて1分25秒台の壁を破って5番手に浮上した。残り6分強でピットに戻り、素早く作業を終えてコースに復帰。この間に一旦は7番手に後退していたが、ペースを上げたバレンティーノ・ロッシは2番手に浮上したろがすぐに4番手へと後退してしまう。残り2回のチャンスで区間最速を1回、区間自己ベストを2回記録して1分24秒309へ更新したが、ポジションを上げることはできず、決勝のグリッドは14番手、5列目となった。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは予選を作戦通りに走り切って6番手を獲得。午前中に行われたフリープラクティス第3セッションではウエットとドライ半々のコンディションのもとでデータを収集し、Q2ではその成果を生かして前日のベストタイムを0.880秒も短縮した。チームメイトのハフィス・シャーリンは、フリープラクティス第3セッションで9番手を獲得する大健闘を見せた。ドライコンディションに恵まれた予選でも初日の第1セッションから0.760秒短縮するなど好調を維持しており、決勝ではグリッド6列目からポジションアップを狙う。Movistar Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス (予選11番手/1分24秒284)「明日はトップ10に入って何としてもポイントを獲得しなければなりません。マシンには課題がありますが、まだ答を見つけられていないため、明日のウォームアップで修正できることを期待します。また、決勝用のタイヤも決まっていませんが、どうなったとしてもベストを尽くして戦うのみ。明日の決勝をしっかりと戦うため、さらに次のシルバーストンによい形でつなげるためにも、チーム一丸となってハードワークを続けます」バレンティーノ・ロッシ (予選14番手/1分24秒309)「今回はとてもアンラッキーでした。Q1までにドライは初日の午前中しかありませんでしたが、その時にマシンの調子が悪く、もう一方のマシンに乗り換えましたが、なかなかペースを上げられなかったのです。さらに、予選でソフトタイヤを試したときによいフィーリングを得られずQ2に進出することができませんでした。このような状態なので、決勝に向けてはセッティングを改善する必要があります。明日は5列目からのスタートですが、まずは最初の混戦をしっかりとこなしたいと思います」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「難しい予選になりました。フリープラクティス第3セッションはウエットだったので、ロッシ選手はQ1に回ることとなってしまいましたが、ビニャーレス選手はQ2に進むことができました。午後になってコンディションが変化したので、第4セッションではドライ用の様々なセッティングを試すこととなりました。また予選は思うようには進まず、ライダーたちは十分な結果を得ることができなかったので、チームとしてはこれから解決策を見つける作業を行います。決勝ではスタートが非常に重要になり、4列目と5列目から早いうちに前へ出ることが求められます。もちろんフルドライかフルウエットを望みますが、どんな天気になろうとウォームアップでしっかり調整していきます。今週はここまで厳しい状況ですが、ふたりが上位で戦えるマシンにすることが、私たちチームの責任。全員が一丸となって課題を解決し、この状況を乗り切ります」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (予選6番手/1分23秒887)「フリープラクティス第3セッションはウエットコンディションになりタイムを更新できませんでした。第4セッションが始まる頃には路面が乾いており、加速ではやや苦戦するところもありましたが、タイムは順調に上がっていきました。全体的にマシンのフィーリングがよかったので好タイムを期待していたのですが6番手に留まったのは残念です。ライバルたちが非常に速く、彼らと競り合うのは決して簡単ではないでしょう。でもこの位置から好スタートを切り、序盤から最大限の力を尽くして戦い、表彰台に近づけるようにがんばります」ハフィス・シャーリン (予選18番手/1分24秒834)「18番手と後方からのスタートになりました。コンディションが目まぐるしく変わるなかでよいフィーリングをつかむことができず、リアのスピンに苦戦しました。必要なグリップと適正なリズムをつかみたかったのですが難しかったですね。でも少しずつ解決方法が見えてきています。明日の午前中のウォームアップでもう一歩、前進できるようがんばります」