ヤマハは、MotoGP 第10戦 チェコGPの決勝でMovistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシが激しいバトルの末に4位を獲得。チームメイトのマーベリック・ビニャーレスは1ラップ目に転倒し、今季初めてのリタイアとなった。終盤が厳しい戦いになると予想していたMovistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシは、レース前半で猛チャージをかけて何度かトップを奪取。最終的にはそのポジションを手放すこととなったが、4位でチェッカーを受けて貴重なチャンピオンシップ・ポイントを手中にした。
チームメイトのマーベリック・ビニャーレスはオープニング・ラップの不運な転倒のあと、幸い、大きなけがはなかったものの再スタートはかなわなかった。バレンティーノ・ロッシはグリッド2番手の位置からホールショット。序盤の数ラップはアンドレア・ドビツィオーゾと抜きつ抜かれつの接近戦を展開し、その後方にマルク・マルケスとホルヘ・ロレンソが続いた。バレンティーノ・ロッシはおもに2番手につけていたが、慎重にタイミングを見極めて残り14ラップで前へ出ると、身体を伏せて一気に加速した。その後3ラップにわたってトップをキープしたバレンティーノ・ロッシだが、追いついてきた集団に飲み込まれて5番手まで後退してしまう。レース後半の厳しい状況のなかで懸命にトップグループについて行き、最終ラップの最終シケインでカル・クラッチローをパス。4位でチェッカーを受け、貴重なポイントを獲得した。トップとの差は2.902秒だった。一方のマーベリック・ビニャーレスは残念な結果。フロントにミディアム・コンパウンド、リアにソフト・コンパウンドというコンビネーションで序盤の戦いにかけていたが、グリッド12番手からスタート後、大勢が先を争うなかでステファン・ブラドル、ブラッドリー・スミスと絡んで転倒した。幸い大きなけがはなく、次回、オーストラリアGPでのリベンジにかける。4位を獲得したバレンティーノ・ロッシはグランプリで最高となる6,000ポイント獲得を達成。チャンピオンシップでは2位をキープしており、トップを49ポイント差で追っている。マーベリック・ビニャーレスはランキング4位に後退したが、2位のバレンティーノ・ロッシに23ポイント差、3位のドビツィオーゾにわずか4ポイント差と激しい戦いが続く。ヤマハはコンストラクターズ・ポイントでトップから43ポイント離されてランキング3位。Movistar Yamaha MotoGPはチーム・ランキングでトップをキープしており、2位との差は3ポイント。明日の月曜日にはブルノ・サーキットでIRTA主催のオフィシャル・テストに参加する。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコはグリッド3列目から好スタート。スターティング・ポジションを維持して序盤からペースを上げ、そのままコンスタントに21ラップを走り切って7位を獲得した。2018シーズン第10戦を終えてランキング7位。依然、トップ3まで浮上する可能性を残している。ザルコのチームメイトのハフィス・シャーリンは、オープニング・ラップで早くも数台をパス。ルーキー勢の最大のライバル、フランコ・モルビデリとのバトルに全力を注いだが、終盤は作戦を切り替えて14位でゴール。貴重な2ポイントを獲得してルーキー・オブ・ザ・イヤーへのアドバンテージを守った。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ (4位)「終わってみれば、私にとってはとてもいいレースだったと思います。好スタートを決め、序盤からペースを上げてトップグループに加わることができました。ただドビツィオーゾ、マルケス、ロレンソと戦うには力が十分ではありませんでした。表彰台に上りたかったので、そのチャンスを逃したことは残念です。終盤はカル(クラッチロー)といいバトルができました。そして最終シケインでパスし、順位をひとつ上げることができたのです。でも、やはり表彰台には届きませんでした」マーベリック・ビニャーレス (DNF)「地面に投げ出されたあと、何とかマシンを起こして再スタートしようとしましたが、そのときはすでに遅かったのです。誰がミスをしたのかわかりません。でも大きな怪我がなかったことは幸いでした。今週はずっと厳しい状況が続いていました。今朝のウォームアップ・セッションで新しいセッティングを試し、フィーリングがとても良かったので決勝に向けてモチベーションが上がっていました。気持ちを集中して仕事に取り組んでいたつもりですが、この転倒はやはり、グリッド12番手からスタートしたことの結果なのだろうと思います。だからマシン・セッティングの時点で慎重に方向性を見極めていくことが重要なのです。明日のテストが楽しみです」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「チームにとって今週は楽な戦いではありませんでした。そしてその最終日も本当にいろいろなことが起こりました。バレンティーノはフロントロウからスタートしてトップグループで戦い、全力を出し切って、考え得るなかで最高の順位を獲得しました。一方、ビニャーレスはオープニング・ラップで転倒リタイアと、非常に残念な結果になってしまいました。グリッド4列目からスタートすれば、このようなアクシデントも起こるということです。その結果としてランキングも4位に後退。今朝のウォームアップ・セッションでは好感触を得ていて、リアにソフト・コンパウンドを選択する決定もしていただけに残念なことになりました。明日はまたここで、いくつかテストを行います」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (7位)「予選と同様の7位。悪くない結果だと思います。レース序盤でもっとパスしたかったのですが、ライバルたちも非常に速く、彼らと同等の走りをすることはできませんでした。彼らについて行こうとすると激しくスライドしてしまうので、少しペースを落とさなければならなかったのです。後半戦は少し状況が良くなって、上位グループとの差を詰めていかれるようになりました。そのまま終盤までしっかりマシンをコントロールしていたのですが、ダニロ・ペトルッチをパスするだけの十分な強さを発揮できないまま終わってしまいました。完走できたことは良かったと思っています。昨日からマシンのフィーリングが戻ってきていましたし、決勝では表彰台も視野に入れることができました。まだ何かが足りなかったわけですが、ここから先は長い休みもなくレースが続くので、この間に解決策を見つけることができると確信しています。前進するための絶好のチャンスになるでしょう」ハフィス・シャーリン (14位)「レース序盤はマシンのフィーリングがとても良くて、バウティスタにかなり近づくことができました。でも中盤以...
全文を読む