MotoGP 第5戦 フランスGPの初日、Movistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシは、ドライコンディションとなった両セッションで決勝に向けた準備を行いながら総合3位を獲得し、好調なスタートを切った。一方のマーベリック・ビニャーレスはいつものように、セッションのなかで周回を重ねるうちに少しずつペースアップ。第1セッションの最後にはユーズドタイヤでファステストラップを記録し、第2セッションでも勢いを維持して総合4位で初日を終えた。
ロッシは第1セッションの開始早々に暫定トップに浮上すると、その後は主にタイヤのコンビネーションの向上に取り組みさらにタイムを更新し1分32秒777をマークしてトップから0.301秒差の6番手につけた。第2セッションも好調をキープし、開始から10分後にはコース前半でトップペースの走りを披露。しかし後半で前方を阻まれたためタイムアタックを断念せざるを得なかった。終盤の10分では全体のペースが上がったが、マシンバランスを追求してきたロッシは1分32秒179まで更新して3番手に浮上。トップとの差を0.243秒に短縮して初日を終了した。チームメイトのビニャーレスは気温の低かった第1セッションで好調。早々にベースセッティングを作り上げると4分後にはトップに立ち、その後は様々なオプションのチェックを行った。終盤になると1分32秒543に短縮して再びトップに浮上したが、そのあと3番手としてチェッカー。トップとの差はわずか0.067秒だった。午後からの第2セッションでも、初めは新しいセッティングをテストするなどの作業に集中し、後半になるとタイムアタックを開始。残り10分でピットに戻りタイヤを履き替えると、これでこの日の自己ベストとなる1分32秒204を記録し、トップから0.268秒差の4番手で初日を終了した。初日の総合成績では、ほとんどのライダーが第2セッションでラップタイムを更新したため、ロッシとビニャーレスは、そのまま総合3番手と4番手につけた。ル・マンでのホームレースを迎えたMonster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコはウイーク初日、地元の大声援に応えるようにフリープラクティスの両セッションで5番手を獲得した。チームメイトのハフィス・シャーリンは、コースを覚えながら少しずつペースを上げて19番手。トップにわずか1.499秒差まで近づいている。ウイーク2日目となる明日は、現地時間9:55にフリープラクティス第3セッションがスタートする。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合3番手/1分32秒179)「順調にスタートすることができました。第1セッションから手応えをつかみ、午後になって気温が上がってもハイペースをキープ。セッティングやタイヤの様々なオプションをテストし、それが最終的に好タイムにつながりました。まだ金曜日の段階ではありますが、ここでトップ3に入れたのはとてもよかったと思います。今回はマシンが非常によく走ってくれているので思い通りにプッシュすることができ、ユーズドタイヤでもペースは悪くありません。明日以降もタイヤやマシンバランスなどをチェックする予定ですが、今日の時点でとても好調。よいスタートができたと思っています」マーベリック・ビニャーレス (フリー走行総合4番手/1分33秒204)「午後のセッションでは新しいことを試しましたが、それがうまくいかずピットのなかで多くの時間を過ごすことになってしまいました。とくにフロントにミディアムタイヤを履いたとき、感触をつかむまでに数ラップかかってしまいなかなかペースを上げることができなかったのです。それでも終盤になるとフィーリングがよくなり、2ラップにわたってハイペースを維持して走ることができました。まだ課題は残っていますが、現時点ですでにコースのすべての場所でマシンがよく走ってくれています。僕自身も気持ちよく乗れているので、明日の予選では上位を狙っていきます。今日は全体的にとても満足しています。明日も楽しみです」マッシモ・メレガリ (チームディレクター)「第1セッション、第2セッションともによい状況で、ウイークを好調にスタートすることができました。ル・マンが相性のよいサーキットであることはわかっていましたが、今日の結果はそれを裏付けるものとなりました。ロッシ選手もビニャーレス選手も第1セッションの開始早々から、ハイペース、ハイスピードを記録しながら気持ちよく乗れていました。マーベリックは第2セッションでピット内に留まる時間もありましたが、そうした作業を通して、様々なセッティングやタイヤスペックを試して価値あるデータを収集することができたのでよかったと思います。またそれぞれのセッションで路面温度が大きく変化したにもかかわらず、私たちはしっかり対応することができました。今週も厳しいチャレンジを覚悟していますが、明日のフリープラクティス第3セッションでもう一歩前進を図ります。自信はあります」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (フリー走行総合5番手/1分32秒279)「好天に恵まれ好調なスタートを切ることができました。このようなすばらしいコンディションは久しぶりと言っていいと思います。それでも序盤はタイヤのグリップを慎重に見極める必要があったわけですが、ヤマハのマシンはいつもここで順調に走ってくれますし、実際に素早くフィーリングをつかむことができました。セッティングも順調に進み、第2セッションでは好タイムも出ましたが、もう少し縮めたかったので残念に思います。明日も良好なコンディションになって欲しいですし、その中で大きな成果を得られるようにベストを尽くします」ハフィス・シャーリン (フリー走行総合19番手/1分33秒435)「順調に初日を終えました。テキサスでの転倒から自信を取り戻すことができましたし、体調も開幕時と同様のところまで回復しています。マシンについては第1コーナー出口で少し違和感があり、明日以降はブレーキングの向上に取り組みます。僕たちは常にステップ・バイ・ステップで前との差を詰めていっています。ベストルーキーからも大きく離されているわけではないので、周回を重ねていく中でマシンをしっかりと理解し、ライディングスタイルを合わせてペースを上げていきたいと思います。M1のセットアップに関しては、変更点は多くありません。だからこそ、僕自身がマシンに順応することがより重要だと考えています」