ロードレース世界選手権 マレーシアグランプリのフリー走行が行われ、Movistar Yamaha MotoGPが、セパンインターナショナルサーキットの高温多湿な環境と格闘しながら、好調なスタートを切った。午前中は当初、ウエットコンディションだったため、乾くのを待ってからコースインすることとなり、午後はコンディションがらりと変化してフルウエットで走行することとなった。マーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは、FP1とFP2で多くのセッティングを試し、それぞれ総合4番手と12番手で初日を終了した。
マーベリック・ビニャーレスはFP1、スタートから25分ほど経過したあと路面状況が改善されたため、スリックタイヤを装着して走行を開始した。最初の走行で14番手につけ、そのあと少しずつ順位を上げて4番手でセッションを終了した。ラップタイムは2分00秒903で、トップとの差は0.232秒だった。FP2はセッションの開始と同時にコースイン。ウエットのセッティングに取り組みながら順調にペースを上げていった。しかしH・バルベラ(ドゥカティ)と軽く接触し予定外のピットストップを行うこととなったが、マシンの状態を確認したあとすばやくコースに戻り、この間の遅れを取り戻すべく再びプッシュを開始した。そして2分12秒878のベストラップでトップに1.238秒差の4番手。総合順位ではFP1のタイムが採用されて4番手で初日を終了した。一方のバレンティーノ・ロッシは、FP1のスタート直後から走行をスタートした。スリックタイヤでスタートしたが、コースの半分がまだ濡れていたため1ラップを終えてピットに戻ることとなった。その後はしばらくピットで待機し、路面が乾くのを待ってから走行を再開。セッションの残り20分でペースを上げ、終盤はセッティング作業に切り替えた。ベストラップは2分01秒662、トップから0.991秒差の12番手だった。FP2はウエットコンディションとなったためタイム更新はならなかったが、バレンティーノ・ロッシはそのなかでも一時トップに立つなど積極的にプッシュし、最終的にはトップから1.431秒差の2分13秒071で6番手となった。総合順位はFP1のタイムにより12番手となった。ヨハン・ザルコが好調をキープ、MotoGPデビューのファン・デル・マークも順調にスタート暑さの続くセパンインターナショナルサーキットでフリープラクティスが行われ、Monster Yamaha Tech 3のヨハン・ザルコが好調なスタートを切った。ウエットからドライへとコンディションが変化したFP1で3番手を獲得。午後になると雨が降り、そのなかを力強く走りきって11番手でセッションを終了した。総合成績ではヤマハ勢トップの3番手。トップとの差はわずか0.136秒だった。明日の予選もこの勢いをキープし上位を目指す。一方、ヨハン・ザルコのチームメイト、ジョナス・フォルガーに代わりMotoGPデビューを果たしたマイケル・ファン・デル・マーク。初日はYZR-M1でMotoGPのレギュラーライダーと競り合うなど順調なスタートを切り19番手。順調にウイークのスタートを切った。Movistar Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス (フリー走行総合4番手/2分00秒903)「ドライもウエットも好調でした。つまり、ここセパンで高いポテンシャルを発揮できているのだと思います。セパンは前回のフィリップアイランドとはまったくタイプの異なるコースです。セッティングについては課題も残っていますし、天候が変化すればタイヤの選択が非常に重要になります。そのためにもタイヤについてもっとよく理解しなければならないと思っています。バルベラとの接触については、何が起きたのかよくわかっていません。この時にクラッチレバーが折れてしまいましたが、マシンを立て直して転倒を免れました。マシン同士が激しくぶつからなかったのが幸運でした。いずれにしてもFP2のフィーリングもよかったので、明日もどんなコンディションになっても自信を持って臨めます」バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合12番手/2分01秒662)「難しいコンディションでしたが、午前中のセッションでドライを何周か走ることができてよかったと思います。湿度の高さに苦しめられましたが、終盤はプッシュできたしフィーリングもよくなってきました。トップ10を目指して、多くのライダーがリアをソフトコンパウンドに交換したので12番手に留まってしまいました。FP2ではフルウエットのコンディションとなりましたが、日本GPから進化して6番手を獲得することができました。でもリアのグリップの感触がまだ完璧ではないので、ウエットで上位争いをするためにはもっと改善が必要です」マッシモ・メレガリ (チームディレクター)「初日は難しいコンディションで、とくに午前中は半分ドライ、半分ウエットとなったため、ライダーたちもかなり苦しめられることになりました。そのなかでも最後の20分をドライで走行し、セッティングもできたのは幸運でした。午後は逆にウエットのセッティングに切り替え、マーベリックもバレンティーノもオーストラリアに比べて進化したところを見せてくれました。まだ完璧ではありませんが、方向性が間違っていないことを証明できたと思います。マーベリックはペースがよく、自信を持って走っています。バルベラとの接触ではひやりとしましたが、幸い転倒を免れました。バレンティーノはリアのグリップに悩んでいましたが、安定したスピードを維持しており、このあと雨が続いたとしても心配はありません。今日のところはとても満足しています。明日のFP3では、コンディションにかかわらず、もう一歩前進を目指します」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (フリー走行総合3番手/2分00秒807)「FP2では、リア周りが決まっていない状況で、路面が滑りやすく、徐々に乾いていくなかでプッシュし過ぎて転倒してしまいました。コンディションに変化して大変ですが、完全なドライになるかどうかは誰にもわからないので一歩一歩前へ進むしかありません。FP1は、セッション終盤になってフィーリングもよくなりしっかりとプッシュできました。最終的に3番手を獲得できたし、全体的によい走りができたので満足しています」マイケル・ファン・デル・マーク (フリー走行総合19番手/2分03秒473)「最高のスタートになりました。午前中は天気があまりよくなかったので、慎重にYZR-M1での初走行に臨みました。しかしコースに出るとすぐにフィーリングをつかむことができ、とても気持ちよく走れたので、そのまま走行を続けセッションを楽しみました。FP2は雨になってしまいましたが、ポジティブな気持ちをキープして、少しずつ前進でき、初日を順調に終えることができました。明日以降は、ブレ...
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