ロードレース世界選手権 MotoGP 第16戦 オーストラリアGPでMovistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシとマーベリック・ビニャーレスは、7台による激しいトップ争いを果敢に走り切って2位と3位を獲得。ダブル表彰台はチームにとって、今季4回目の快挙となった。バレンティーノ・ロッシはグリッド7番手から好スタート。すぐに5番手につけ、プッシュを続けてマーベリック・ビニャーレスの後ろの4番手に上がって1ラップ目を終了した。
その後ヨハン・ザルコとのバトルのなかで一時5番手に後退したが、マルク・マルケス(ホンダ)とヨハン・ザルコがコーナーではらむ間に3番手へ浮上。さらにマーベリック・ビニャーレスをパスし、5ラップ目にジャック・ミラー(ホンダ)をとらえてトップに躍り出た。しかしその後も混沌とした状態が続く。バレンティーノ・ロッシは第4コーナーではらみ、ヨハン・ザルコとマルケス、そしてしばらくしてミラーにも先行を許してしまう。数台が激しく順位を入れ替える混乱のなかで、バレンティーノ・ロッシは再び果敢にプッシュしてトップへの返り咲きを目指していった。残り8ラップ。2番手を走行していたバレンティーノ・ロッシにマルケスのフロントホイールが接触。これで4番手に後退するも最後の4ラップで復活を期す。第1セクションと第2セクションで繰り返し自己ベストを更新しながら攻め続け、ついには再び2番手に上がって最終ラップに突入した。この時点でトップのマルケスとの差は2秒まで広がっていたため、バレンティーノ・ロッシはヨハン・ザルコとマーベリック・ビニャーレスの追撃を抑えることに集中。そしてトップから1.799秒差の2位でチェッカーを受け、自己通算17回目となるフィリップアイランドの表彰台に上った。一方のマーベリック・ビニャーレスは好スタートを切り、トップのミラー、2番手のマルケスについて行く。2ラップ後にタイヤが暖まってからペース上げてマルケスをパス。そのあとバレンティーノ・ロッシに先行を許したが、離されることなくともにトップを追いかけていった。バレンティーノ・ロッシがミラーをとらえると、マーベリック・ビニャーレスはまとめてふたりをパス。これで一時トップに立ったが、次の瞬間にはマルケス、ヨハン・ザルコ、ミラーとのバトルに飲み込まれて5番手まで後退してしまう。バレンティーノ・ロッシが果敢に仕掛ける一方で、マーベリック・ビニャーレスはひとつずつ慎重にポジションを上げてゆく作戦。しかし前方では依然として激しいポジション争いが続いており、また後方から攻め立てるヨハン・ザルコとアンドレア・イアンノーネ(スズキ)に押し出される格好で7番手まで後退してしまったため、再び身体を伏せてペースアップを余儀なくされた。そして残り5ラップでミラーとカル・クラッチロー(ホンダ)をとらえ、さらにイアンノーネとヨハン・ザルコをパスして3番手に浮上。トップから1.826秒差の3位でチェッカーを受けた。Monster Yamaha Tech3 Teamのヨハン・ザルコが終始、トップ争いを展開。僅差で表彰台を逃し4位でチェッカーを受けた。3番手からスタートしたヨハン・ザルコは一旦、順位を下げたが、少しずつ追い上げて9ラップ目にはトップに浮上。その後はトップグループのなかで何度かポジションを入れ替えながら果敢に走り切り、最終的には3位に0.016秒差の4位となった。この活躍によりルーキー・オブ・ザ・イヤーを確実にしている。一方、欠場中のジョナス・フォルガーに代わって出場したブロック・パークスは、YZR-M1のデビューレースで力強い走り。MotoGPのベテランライダーたちに戦いを挑み、22位で走り切った。この結果、マーベリック・ビニャーレスはランキングトップから50ポイント差のランキング3位。バレンティーノ・ロッシは81ポイント差の4位につけている。ヤマハはコンストラクターズ・ランキングで2位へ浮上。Movistar Yamaha MotoGPはチームランキングで2位につけている。来週はセパン・インターナショナル・サーキットで行われるマレーシアGPに出場する。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ (2位)「思い切りエンジョイできました。コースがとても素晴らしいし、レース自体も最高でした! 上位グループの全員が非常にアグレッシブだったので、そのなかで勝つためには彼ら以上にアグレッシブに、ある意味"バカ"にならなければなりません。ザルコ、イアンノーネ、マルケス、ビニャーレスとのバトルは本当に素晴らしかったので、そのなかで何としても表彰台に上りたいと全力を尽くしました。そして2位を獲得できたのでとても嬉しいです! チームのみんなにお礼を言いたいです。彼らはいつも懸命に仕事に取り組んでいます。ヤマハのすべての人に感謝しています」マーベリック・ビニャーレス (3位)「残り5ラップで仕掛けようと考えていました。その前のラップでザルコをとらえ、ストレート・エンドでバレンティーノをパスしようとしたのですが、はらんで遅れてしまいました。ここでザルコと接触しそうになり、イアンノーネも絡んできたため、もう今日のレースは終わったかと思いましたが、そのあと絶好のタイミングが巡ってきて挽回することができたのです。最終コーナーでは、本当ならもうちょっと差を詰めておきたかったところですが、加速が非常に良かったのでバレンティーノをパスできるかもしれないと考えました。しかし結局、届かず3位に終わってしまいました。今回もチームが良い仕事をしてくれて、とくに午前中のウォームアップ・セッションでは、ウエット・コンディションで好感触を得ることができました。またソフト・タイヤのフィーリングもとても良かったので、今回はたくさんの収穫があったと思います。チャンピオン争いに決着がついてしまったことは残念ですが、厳しいシーズンになることは常に意識していました。次のマレーシアでもいつものようにベストを尽し、もう一度、表彰台を狙っていきたいと思っています。そしてシリーズランキング2位のドビツィオーゾとの差を少しでも縮めることも重要です。マシンのポテンシャルを引き出し、いつも以上に力強い走りを目指します」マッシモ・メレガリ (チームディレクター)「まさにファンタスティック! 全27ラップを通じて、アドレナリンがハイレベルで出続けていました。バレンティーノとマーベリックは異なるタイヤを選択していたので、私としては気が気ではありませんでした。どちらが正しかったのか、確信が持てなかったからです。でも結果的には、どちらのチョイスも良い結果につながり、ふたりそろって表彰台に上...
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