チームスズキエクスター、最終戦バレンシアGPを5位と7位で終えシーズンを締めくくる2019年MotoGPチャンピオンシップシーズンフィナーレとなるバレンシアGPは、99,000人を超える観客が見守る中、リカルド・トルモサーキットで27周の決勝が幕を開けた。チームスズキエクスターライダーは共に安定したパフォーマンスでシーズン最後のレースを締めくくった。
アレックス・リンスはスタートを決め、8番手グリッドから一気に3番手にジャンプアップ。その後ひとつ順位を落とすが、トップグループから離れることなく4番手走行を続ける。一方、ジョアン・ミルはスタート後8番手につけ、何人かのライダーとバトルを繰り返しながらじりじりと差を詰めていく。リンスはレース中盤以降5番手を走行しながら、徐々に距離の詰まってくる3番手のミラー(ドゥカティ)と4番手のドビツィオーゾ(ドゥカティ)に迫りながら表彰台を掛けて渾身のアタックを続ける。最終ラップではドビツィオーゾが目の前まで迫るも、オーバーテイクには至らず、今季11度目のトップ5でチェッカーを受けた。ルーキー最後のレースとなったミルはトップグループからは少し遅れるも、最後まで安定したペースで走行して健闘の7位でチェッカー。フリー走行、予選と同じフィーリングを得ることができず、上位フィニッシュを目指したミルにとっては悔しい展開となるも、シーズン最後のレースをポジティブな結果で締めくくった。河内 健 テクニカルマネージャー「最終戦でふたりのライダーがシングルフィニッシュというのはそれほど悪い結果ではないとは思うのですが、我々はもっと上を期待していましたし、アレックスは表彰台争いの位置で走りながらも、残念ながら今シーズン中に再び表彰台に戻ることができませんでした。ジョアンに関しても予選までの結果から決勝では上位フィニッシュを期待していたので、その点については残念に思います。ここからシーズンオフが始まりますが、しっかりとマシンを開発し、来年の開幕戦カタールにはより強いスズキになって戻ってきたいと思います。1年間本当にありがとうございました。」ダビデ・ブリビオ チームマネージャー「アレックスは序盤から積極的な走りで、トップグループでバトルしながら表彰台を狙っていったのですが、残念ながら5位という結果に終わってしまいました。しかし全力を出し切った結果ですし、レースを通して素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたので、今日の結果には我々も皆満足しています。一方のジョアンはMotoGP初年度だったこの1年、本当に目を見張る大きな成長を遂げました。彼のこの成長はチームにとってもライダー本人にとっても来シーズンの大きなアドバンテージになると確信しており、来年もまた彼と一緒にこの進歩を継続していくことをチームも楽しみにしています。火曜、水曜とここバレンシアで行うテストと、その後行うへレスのテストでは主にバージョン違いのエンジンの比較をし、そのデータによって来シーズン最初のセパンテストのパッケージを決定する予定です。」アレックス・リンス「今シーズンは自分にとってとても良い1年だったと思っているよ。チャンピオンシップでも最後まで3位争いができたしね。最終戦でなんとかランキング3位を取り戻そうと全力で戦ってマーベリックの前ではフィニッシュすることができたけど、残念ながらランキングは戻すことができなかったね。4位のドビツィオーゾとはラストラップのチェッカーラインぎりぎりまでバトルしたんだけど、残念ながらオーバーテイクはできなかったよ。今日でシーズンは終わりになるけど、僕らはこれからまだまだ努力を続けて、新しいシーズンに備えなくちゃならないと思っているよ。」ジョアン・ミル「決勝中はフリー走行や予選の時と同じような良いフィーリングを得ることができなくて、ストレスの溜まるレースだったよ。週末ずっと調子が良かったから正直もっと上位フィニッシュを狙っていたけど、それでも今シーズン優勝しているライダー達がバトルするトップ5グループと近い位置で戦うことができたからシーズンの良い締めくくりにはなったと思う。MotoGPデビューイヤーだったこの1年は色々な意味で本当に素晴らしい年だったし、もう来年が待ち遠しくてならないよ。まずは来週のテストでしっかり走り込みをしなくちゃね。」
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