アレックス・リンス、オーストリアGP決勝は6位周りを山に囲まれた美しい丘陵地帯に位置するレッドブルリンクの日曜朝は、昨日までの天候から打って変わり、暗い雲に覆われ大粒の雨がサーキットを濡らした。路面はその後乾き始め、MotoGPクラスのウォームアップ走行はドライコンディションになるかと思われた矢先、再び通り雨が路面を濡らす。しかしその後は雨が上がり、85,000人の観客が見守る中、28周のMotoGPクラス決勝がドライコンディションでスタートした。
ジョアン・ミルの怪我による欠場のため、チームスズキエクスターはアレックス・リンスのみの1台体制で、リンスはフロント、リア共にミディアムのタイヤコンビネーションを選択。7番手グリッドから好スタートを決めたリンスは3コーナーで起きた数台のミスをうまく交わし、一気に2番手にジャンプアップ。しかしその後うまくリズムを掴めずに7番手まで順位を落とす。他車の転倒でひとつ順位を上げたリンスは、終盤までロッシ(ヤマハ)、ビニャーレス(ヤマハ)と3台で4位争いを行うも、わずかにオーバーテイクには至らず6位でチェッカーを受けたが、チャンピオンシップランキングでひとつ上のペトルッチ(ドゥカティ)とのポイント差を縮めた。リンスは前年との比較でトップとの差は8秒、トータルレースタイムでは14秒縮め、チームスズキエクスターにとってはテクニカルで難しいレッドブルリンクで大きな進歩を確認できたレースとなった。河内 健 テクニカルマネージャー「このサーキットでは表彰台争いに絡むことができませんでしたが、シーズン全体を考えた際、あまり得意としないこのレッドブルリンクで6位という結果はそれほど悪くないと思います。もちろんどのサーキットでも安定した戦闘力を保てるようにしていくべきなのですが、今週はライダーが一人体制で情報も少なく、アレックスにとってもやりにくかった部分もあったと思います。ジョアンに早く復帰してもらい、またふたりのライダーで競い合いながら成績を上げていきたいと思います。」ダビデ・ブリビオ チームマネージャー「厳しいレースになることを予想していましたが、結果的にはアレックスは我々が予想していた以上の結果で終えてくれました。もちろんベストなパフォーマンスだったとは言い難いですが、それでもトップ6で終えることができたことはポジティブだったと考えています。ここから先の数戦は我々のマシンと比較的相性の良いサーキットなので、さらに上の結果を目指していきます。次戦までにジョアンの怪我が完全に回復し、シルバーストンではまた一緒に戦えることを願っています。」アレックス・リンス「このレースは正直かなり厳しかったよ。特にブレーキングがね。でも僕らの目標は去年の結果を上回ることだったから、去年よりふたつ順位を上げて少なくともその目標はクリアできたし、チャンピオンシップポイントも上との差を少し縮めることができた。次戦が今から楽しみでならないし、いつも通りベストを尽くす準備はできているよ。シルバーストンは大好きなサーキットだからさらに楽しみだね。」
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