マルク・マルケスがザクセンリンクでの激戦を制し、2025年シーズンのMotoGPスプリントで再び勝者となった。これにより、彼は同地での勝利数をさらに伸ばすこととなった。このスプリントは、2025年シーズンで初めてマルケス兄弟が1-2フィニッシュを逃したレースでもあった。当初は今季2度目のスプリント敗北かと思われたマルク・マルケスだったが、果敢かつ時に危うさすら感じさせる巻き返しで再び頂点に立った。
スタートでトップに立ったマルケスは第1コーナーを大きくオーバーランし、5番手まで順位を落とす。しかしそこからすぐに前を走っていたヨハン・ザルコをパスし、今度は勢いに乗るファビオ・ディ・ジャンアントニオに抜かれる展開に。両者のバトルは第2周も続き、マルケスが第1コーナーで仕掛ければ、ディ・ジャンアントニオは第2コーナーで切り返す応酬を見せた。だが2周後、最終コーナーでマルケスがついに前に出る。前方では、マルコ・ベッツェッキが序盤のリードを確立。その直後、フランコ・モルビデリが第8コーナーで高速クラッシュ。予選でも同じ場所で転倒していたが、今回は深刻で、砂利の中を転げ回るほどの激しい転倒となり、レーシングスーツが開いてしまうほどだった。モルビデリは立ち上がるのにも苦労し、メディカルセンターで左鎖骨の重度の打撲と診断され、精密検査のためケムニッツ病院へ搬送された。モルビデリの転倒により2番手に浮上したのはファビオ・クアルタラロだったが、背後に迫るマルケスのドゥカティを抑えることはできず、オーバーテイクを許す。第2コーナーではマルケスがハイサイド寸前の挙動を見せたが、残り7周を切ってなおも2秒差でベッツェッキを追う姿勢は崩さず、第3セクターの左コーナー群で差を詰めていく。残り2周でついにベッツェッキの背後に迫ると、ファイナルラップの第1コーナーで前に出る。ややワイドになったが、第2コーナーではインを取り、ポジションを死守。そのまま突き放し、最終的には0.9秒差でゴールした。クアルタラロはMotoGPでの自身でも屈指のウェットレース走行で、ディ・ジャンアントニオとの最終ラップバトルを制してスプリント初表彰台を獲得。ジャック・ミラーが2台目のヤマハとして5位。KTMのブラッド・ビンダーが6位、LCRホンダのザルコが7位に入り、終盤にアレックス・マルケスを交わして順位を上げた。アレックス・マルケスはこれで兄マルクとのランキング差が78ポイントに広がったが、それでもこのスプリントでフランチェスコ・バニャイアよりは上位でフィニッシュ。バニャイアは予選同様にコンディションに苦しみ、ポイント圏内争いに加わることすらできなかった。その9位争いでは、フェルミン・アルデゲルをペドロ・アコスタが終盤にかわして最後のポイントを獲得。なお、アコスタもマルケスを追う途中でグラベルに飛び出すアクシデントがあり、本来のペースを発揮しきれなかった。2025年MotoGPドイツGPスプリント正式結果1.マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)2.マルコ・ベッツェッキ(アプリリア・レーシング)3.ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)4.ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシングチーム)5.ジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)6.ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)7.ヨハン・ザルコ(ホンダLCR CASTROL)8.アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)9.ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)10.フェルミン・アルデゲル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)11.ミゲル・オリベイラ(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)12.フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)13.ラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)14.ジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)15.アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)16.ルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)17.小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)18.ロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)
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