マルケス今季8勝目。タイトル獲得に王手を掛ける。第14戦アラゴンGPは、今季9回目のポールポジションから好スタートを切ったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が快調にトップを快走し、独走で今季8勝目を挙げた。今大会、フリー走行、予選でライバルを圧倒したマルケスは、好スタートを切ると序盤に1分48秒台のラップを刻んで2番手以下を突き放す。そして、中盤には約5秒の大量リードを築き、終盤にはその差を7秒まで広げる独走となった。
これでマルケスはアラゴンGP4連勝(通算5勝目)を達成。ホームGPで迎えたグランプリデビュー200戦目を優勝で飾り、応援にかけつけた大勢の地元ファンから祝福の拍手が送られた。連戦となった前戦サンマリノGPからの2連勝を達成、今季8勝を挙げたマルケスは、総合2位で今大会2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)との差を98点とし、4年連続6回目のタイトル獲得に王手をかけた。次戦タイGPでドヴィツィオーゾに2点差以上をつけるとタイトルが決まる。予選7番手から決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が6位でフィニッシュした。オープニングラップは8番手とポジションを落としたが、8周目にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)をかわし7番手へ。終盤には、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)を抜いて6位でチェッカーを受けた。今大会は、不安定な天候の影響もあり、思うようにセットアップを進めることができなかったが、決勝では粘り強い走りでポジションを上げることに成功した。予選14番手から決勝に挑んだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、序盤ペースが上がらず13番手へとポジションを落としたが、終盤になって3台の10番手争いのグループに追いつき、ミゲル・オリベイラ(KTM)、アンドレア・イアンノーネ(アプリリア)、ダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)を次々に抜いて10位でフィニッシュした。過去2戦、転倒再スタートでノーポイントのレースが続いていたが、3戦ぶりのポイント獲得を果たした。ケガから復帰3戦目となるホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)は、予選19番手から好スタートを切って序盤12番手までポジションを上げたが、中盤以降、ペースが上がらず20位でフィニッシュした。今大会はフロントにミディアム、リアにソフトをチョイス。チームメートのマルケスと同じ選択だったが、後半は消耗に苦しみなど、タイヤをパフォーマンスをうまく引き出せなかった。マルク・マルケス(MotoGP 優勝)「今日はレースに向けての戦略と、何をしなければならないかということがはっきりしていたし、自信もありました。ピットを出たときからいいフィーリングがあったので、序盤からプッシュしていきました。そして、4~5秒引き離してからは、あまりプッシュせずにそのギャップをキープしようと務めました。ビニャーレスが少し近付いてきたときは、2、3周プッシュして走り、アドバンテージを安定させました。簡単に見えたかもしれませんが、そうではありませんでした。レースウイークを通して限界を見つけるために、一生懸命取り組んできました。地元のファンの前で優勝することができて最高の気分です。応援してくれたすべてのひとに感謝しています」カル・クラッチロー(MotoGP 6位)「今日の結果はうれしいです。先週のサンマリノGPは最悪のレースだったので、今日は完走しなければなりませんでした。アラゴンでいい結果を残すことができてよかったです。オープニングラップは、バトルに巻き込まれ、レース中盤にはコースを外れるなど、何度もタイムをロスしましたが、全体的なペースには満足しています。今日のレースが、これほど速いペースになるとは思いませんでした。しかし、最後までいいペースをキープすることができたし、うまいパッシングも何度かあり、トップ6に入ることができました」中上貴晶(10位)「なんとかトップ10フィニッシュという目標を達成することができましたが、想定していた1分49秒台の走りができず、課題を残すレースとなりました。今日はフロントにミディアム、リアにソフトをチョイスしました。タイヤ選択はよかったと思いますが、グリップの改善という点では大きなステップを刻めませんでした。次のタイGPは、路面も気候もガラリと変わるので、しっかり準備しなければなりません。今日は朝のウォームアップがウエットとなり、セッティングの変更を確認できなかったことが決勝に影響しました。いくつも課題を残すレースとなりました。しかし、イギリス、サンマリノと転倒ノーポイントに終わっていたので、その点では、次につながるレースができたと思います。日本GPに弾みをつけるという意味でも、次のタイGPでは、今季ベストを目指し、いいレースをしたいです」ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 20位)「とても力強いスタートを切ることができました。そのため、いい結果を残せると期待したし、序盤はとても戦闘的な走りができました。しかし、リアタイヤがかなり消耗し、リアのグリップに苦戦しました。それからは、できるかぎりスムーズに走りしたが、少しずつポジションは落ちていきました。とても残念です。いいスタートが切れなかったとしても、終盤に向けて力強いレースをしたかったです。今日はセッティングの方向性をさらに学ぶことができことはポジティブでした。今回はプラクティスセッションもうまくいきました。すばらしい優勝を果たしたマルクとチームにおめでとうと言いたいです」
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