過去2年連続でオーストリアGP2位のマルケスが、大会初制覇に挑むチェコGPからの連戦となる第11戦オーストリアGPが、8月9日(金)から11日(日)の3日間、レッドブル・リンクで開催される。レッドブル・リンクは1969年に完成したサーキットで、当初はエステルライヒリンクという名称だったが、95年にA1リンクとなり、2010年からはレッドブル・リンクへと改称された。
オーストリアGPは、1971年にザルツブルグで初めて開催され、94年までの24年間で22回行われた。その後、A1リンクで96年、97年に開催されている。レッドブル・リンクに名称が変更されてからは、2016年に19年ぶりに大会が復活し、今年で4年連続の開催となります。オーストリアGPとしては、今年で通算28回目を迎える。レッドブル・リンクは、ウイーンから南西約200kmのシュピールベルクにあり、オーストリアのほぼ中央に位置します。一周4.326kmのコースは、アップダウンに富んだハイスピードコースで、コーナー数は10(右7/左3)とシンプルなレイアウト。過去、Honda勢は、A1リンク時代の96年と97年に2年連続で、125cc、250cc、500ccの3クラスを制している。最高峰クラスでは96年にアレックス・クリビーレ(99年のチャンピオン)、97年にミック・ドゥーハン(94年から98年までの5年連続チャンピオン)とHonda勢でMotoGPレジェンドに名前を連ねる両選手が優勝した。19年ぶりの開催となった2016年は、事前テストに参加しなかったこともあり、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)は5位に終わった。そして、グランプリの復活2年目の17年は、マルケスがトップと僅差の2位、昨年の大会でもマルケスは僅差の2位と、あと一歩、優勝に届かなかった。しかし、フィニッシュラインまで繰り広げられた手に汗を握る戦いはサーキットに集まった大観衆を興奮させた。マルケスは、前戦チェコGPで今季6勝目、MotoGPクラスで通算50勝を挙げた。チェコGP終了後の月曜日には、ブルノで公式テストに参加し、データの収集とマシンのセットアップに励み、今大会の準備を進めた。マルケスにとってレッドブル・リンクは、まだ優勝経験がないサーキットの一つ。今年は3年連続PPと大会初制覇に挑む。ランキング総合8位のカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、16年はジャンプスタート。17年はセッティングが決まらずに2年連続15位と苦戦が続いた。しかし、18年は表彰台にあと一歩の4位でフィニッシュした。前戦チェコGPでは5位。今年はレッドブル・リンク初表彰台と初優勝を目指す。総合11位の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、第8戦オランダGPで痛めた左足首もほぼ完治し、前戦チェコGPでは9位と3戦ぶりのトップ10フィニッシュを果たした。昨年の大会は旋回性に苦しんで15位だったが、今年はトップ10フィニッシュを目指しす。ケガで欠場のホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)の代役として、3戦連続の代役出場となるステファン・ブラドルが、3年ぶりにレッドブル・リンクのレースに挑む。16年は当時所属していたアプリリアから参戦してノーポイントだったが、今年はトップ10フィニッシュを目指す。鈴鹿8時間耐久ロードレースから3週連続のレースとなるが、Repsol Honda Teamのチームポイント獲得に大きな期待が寄せられる。マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)「夏休みが明けてから忙しい毎日が続いています。チェコGPの優勝はとてもうれしい出来事でしたが、今はオーストリアGPに向けてまた集中しています。そして、準備をしなければなりません。レッドブル・リンクはとてもユニークなサーキットです。ブレーキングの安定性とマシンのパワーが重要になります。過去2年、優勝できませんでしたが、とても楽しいレースができました。今年もおもしろくなると思います」カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)「チェコGPは力強い走りができました。後方グリッドからのスタートとなってしまったことだけが残念です。そのため序盤にかなりタイムをロスしてしまいました。今週末はもっといいグリッドポジションを獲得できることを願っています。レッドブル・リンクのレイアウトは、自分はあまり得意ではありませんが、今はそれは問題ではありません。好きか嫌いかにかかわらず、どのサーキットも同じようにアタックしていきます。ブルノで月曜日にテストを行いました。新しいパーツもテストしましたが、現行マシンのテストに集中しました。マシンのフィーリングをよくするために、Hondaは一生懸命がんばってくれています」中上貴晶(MotoGP 総合11位)「オーストリアでMotoGPマシンに乗るのは今年で2度目になります。今大会も一生懸命取り組み、ブルノで行ったテストの成果を活かせればいい結果を残せると思います。チェコGPはエッジグリップに少し苦戦し、コーナーでうまくコントロールできませんでした。そこでテストではコーナー立ち上がりでもっと速くなれるようにセットアップに取り組みました。このサーキットではこれがとても重要になります。レースウイークが始まるのが楽しみです」ステファン・ブラドル(MotoGP 総合21位)「ブルノでHonda RC213Vのいいフィーリングを見つけることができたので、今週末に向けてワクワクしています。オーストリアではもっと早くいいペースをつかめると思います。このサーキットは、一度しか走ったことがないところですが、自信はあります。このような機会を与えてくれたHRCとチームに感謝しています。今週末も実りのある週末にしたいと思います」