Repsol Honda TeamがドイツGP10連覇へ、マルケスは大会7連覇に挑む2019年のMotoGP 第9戦ドイツGPが、7月5日(金)~7月7日(日)の3日間、ドレスデン近郊のザクセンリンクで開催される。ザクセンリンクの歴史は古く、1927年に初めて公道を使ったレースが行われ、61年から72年には、東ドイツGPの舞台となった。そして、90年に東西ドイツが統合されると、ザクセンリンクでのグランプリ復活を望む声が高まり、全面改修を受けた98年にドイツGPの舞台として復活し、今年で22度目の開催を迎える。
グランプリが復活した当初のザクセンリンクは、一周3.508kmのショートコース。タイトなコーナーが連続し、ストレートも短く、エンジンパワーをほとんど発揮できないレイアウトだった。そのため、2001年にコースの後半部分が改修されて3.704kmへと延長された。さらに、03年にはコース幅を広げる改修が行われ、全長は3.671kmへとわずかに短くなったが、MotoGPマシンのパフォーマンスを発揮できるコースに生まれ変わった。以来、ザクセンリンクは、パッシングポイントの多い白熱した戦いが繰り広げられるサーキットとして、選手たちから好評だ。過去21度の大会でHondaは15勝を挙げている。ザクセンリンクで優勝してきたHondaライダーは、ミック・ドゥーハン、アレックス・バロス、バレンティーノ・ロッシ(現ヤマハ)、セテ・ジベルノー、マックス・ビアッジ。昨年限りでRepsol Honda Teamを引退したダニ・ペドロサが、07年、10年、11年、12年の4勝を挙げた。さらに、MotoGPクラスにデビューした13年に史上最年少記録でチャンピオンに輝いたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、13年から18年までドイツGP6連勝を達成。Repsol Honda Teamも9年連続でドイツGPを制覇した。今年はHondaにとっては10年連続の大会制覇、そして通算16回目のザクセンリンク制覇に挑む。13年、14年、16年、17年、18年とMotoGPクラスにデビューしてから6年間でこれまで5度MotoGPクラスのチャンピオンに輝いたマルケスは、ザクセンリンクで6年連続ポールポジションを獲得、6年連続で優勝してきた。加えて、10年には125ccクラスで、11年と12年にはMoto2クラスでポールトゥウインを達成。マルケスのドイツGP10年連続完全連覇の偉業達成が期待される。過去、マルケスはドイツGPで優勝すると、それ以降、調子を上げて勝ち星を重ね、タイトル獲得に大きく前進した。今年は8戦を終えて4勝、2位3回とチャンピオンシップで2位以下に大きなリードを築いている。ここドイツは、マルケスにとって相性のいいサーキットの一つ。前戦オランダGPはタイヤの選択に苦労して2位だったが、今大会は今季5勝目を目指す。開幕戦カタールGPで3位になり、大会初の表彰台を獲得、幸先よいスタートを切ったカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、それ以降、思うようなレースができていない。前戦オランダGPも、予選6番手、決勝7位と表彰台争いに加わることができなかった。しかし、ザクセンリンクは、得意とするサーキットの一つ。16年には“フラッグ・トゥ・フラッグ”となった難しいレースで2位。この表彰台をきっかけに、シーズン後半戦は2勝を挙げる大躍進を果たした。その後、17年、18年と随所で光る走りをみせているが、なかなか結果につながっていない。今年はシーズン2回目そして3年ぶりとなるドイツGPの表彰台と今季初優勝に挑む。前戦オランダGPでほかのライダーの転倒に巻き込まれリタイアした中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、今大会はその雪辱に挑む。これまでザクセンリンクを得意としてきた中上だが、Moto2時代はトップグループを走るも転倒するなど、なかなか結果を残せなかった。MotoGPにチャレンジを開始した昨年は、鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)に出場するため、日本を往復するハードスケジュールやマシンの乗り換えにも苦労し、決勝は転倒リタイア。今年はMotoGPに専念しており、予選、決勝ともに今季ベストを目指す。前戦オランダGPのフリー走行で転倒し、背中を痛めて今大会を欠場することになったホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)の代役として、ステファン・ブラドルが出場する。ブラドルは、昨年からHRCテストライダーとしてRC213Vの開発を担当し、今季の鈴鹿8耐にはHondaワークスチームの「Red Bull Honda」からの参戦も決まっている。ドイツGPには昨年ワイルドカードで出場して16位、今年はスペインGPに出場して10位になっている。過去、ドイツGPのベストリザルトは、LCR Honda時代の13年の4位。ホームグランプリでの代役出場に大きな注目と期待があつまる。マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)「オランダ、ドイツと続く今シーズン初めての2連戦をとても楽しみにしています。先週のアッセンはいい週末になりました。モチベーションは上がっており、加えて、ここは大好きなサーキットです。金曜日が走行が始まってしまえば、過去の結果はあまり意味がありません。Repsol Honda Teamと一生懸命仕事を続け、上位をキープしなければなりません。過去に何度かここで優勝しているので、みんなは、ここは僕の得意なサーキットだと言っていますが、このスポーツは予測不可能です。7連覇がかかったオースティン(アメリカズGP)でも同じことを言われましたが、今年は転倒しました。だからほかのレースと同じように、週末に向けて全力で挑みます」カル・クラッチロー(MotoGP 総合10位)「ザクセンリンクはいいレースができる大会の一つです。ファンがすばらしくて、そして、すばらしいサポートをしてくれます。自分たちにとってもファンにとってもいいレースをしなければなりません。コースはとてもテクニカルで、タイトで、コーナーが連続します。そのため、マシンのポジティブな領域を最大限利用しなければなりません。コーナーでマシンのリアをうまく使い、旋回性を活かさなければいけません。また正確さが必要なので、LCR Honda CASTROL teamとともにいいセットアップを見つけたいと思います」中上貴晶(MotoGP 総合11位)「アッセンは、決勝で大きな転倒をしましたが、ポジティブな気持ちです。左足を痛めました。完全に回復できるだけの十分な時間はありませんでしたが、大丈夫です。どれだけ100%に近づけるか様子を見なければなりません。ザクセンリンクは楽しみです。昨年ドイツはいい週末でした。いいペースをみせることができて予選はQ2に進みました。しかしレースでは転倒してしまいました。ここはコースレイアウトがタイトで、ロングストレートがないので、いい結果を出せるチャンスだと思います。アッセンの転倒は忘れて、いい結果を残して夏休みに入りたいです」ス...
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