MotoGP 第17戦オーストラリアGPの予選は、断続的に雨が降る不安定な天候の中で行われた。その中でMotoGPクラスは、幸いにも、FP3、FP4、Q1、Q2ともにドライコンディションで行われ、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、2戦ぶり今季5回目のポールポジション(PP)を獲得した。ドライコンディションとは言え、気温も路面温度も低く、時折り小雨が降る厳しい条件となった。加えて、フィリップアイランド特有の強い風が終日吹いて、選手たちを悩ませた。その中でマルケスは、いつも通り、決勝に向けてのセットアップに集中した。
FP3は、前日のタイムをなかなか更新できないコンディションだったが、その中でマルケスはタイヤテストに集中しながら前日のベストを更新。総合順位は6番手のままだったが、1分29秒台で連続ラップを刻み、セッションのトップタイムをマーク。上位5位までの選手が前日のタイムを更新できない厳しい状況の中で順調にセットアップを進めてQ2に進出した。その後に行われたFP4では、FP3で使用したタイヤで引き続きロングランを行い6番手だったが、ここでも1分29秒台から30秒台でラップを刻み、決勝のシミュレーションを行った。迎えたQ2では、セッション中に小雨がぱらつく難しい状況だったが、快調にタイムを刻んだマルケスが、2位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)に0.3秒差をつけて今季5回目、大会5年連続のPPを獲得した。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、厳しいコンディションの中でタイヤテストに集中した。フリー走行では総合18番手。11番手以下で競うQ1では4番手までポジションを上げて14番グリッドが確定した。決勝ではシングルフィニッシュを目指す。ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得に向けて着実に前進するフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、今大会、さらにステップを刻むためのトライを続けて15番手。決勝では追い上げのレースに挑む。今年を最後に引退を表明しているダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、不安定な路面コンディションと強風に苦しめられ、思ったような走りができなかった。小柄なペドロサにとって、これまでもフィリップアイランドは苦戦するサーキットだったが、土曜日の予選は、厳しい条件がそろう一日となった。決勝は後方からのスタートになりますが、追い上げのレースに期待される。初ポイント獲得に闘志のトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は20番手。不安定なコンディションの中で、タイヤの選択など、なかなか思うようにセットアップを進めることができなかったが、決勝では初ポイント獲得に挑む。マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション)「ポールポジションを獲得するのは、とてもたいへんでした。天候がトリッキーだったので、いつプッシュすればいいのか、難しい判断を強いられました。降り方は小雨で、路面を十分に濡らせるほどではありませんでした。しかし、バイザーやスクリーンに雨粒がつくので少し怖い思いをしました。小雨が止んだときに、すぐにアタックしました。ポールポジションを獲得するのに十分なラップを刻むことができました。PPを獲得し、上位のライダーたちに近づくことができました。正直、思っていたほど快適ではないのですが、それでもレースウイークを通して前進してきたのでメンタルもいつものようにポジティブです。でも、明日のレースでは何を期待したらいいのかはっきりわかりません。昨日今日と、多くの転倒があり、僕も転倒しました。そして天候は本当に予測不能であり、タイヤの選択は重要になります。僕たちはコンストラクターズとチームのチャンピオンシップのことを考えなければなりません。もし優勝が無理ならば表彰台を狙います」中上貴晶(MotoGP 14番手)「通常ならセッションをこなすごとにコンディションがよくなるのですが、今日はあまりコンディションが改善されず、おまけに風も強く、厳しい条件の一日になりました。昨日は転倒で一日を終えたので、今日はFP3、FP4、そしてQ1と確実にセットアップを進め、タイヤテストに集中しました。昨日まではミディアムを使用していましたが、今日のコンディションでは、ライダーのほとんどが、ソフトとハードに分かれました。今日のようなコンディションならソフト。天気がよくなればハードを選ぶことになると思います。このコースは、ペースを落とすとすぐにタイヤが冷えるので、単独で走ることが多く、なかなか、MotoGPマシンでの走り方を学ぶチャンスが少なくて残念でした。明日はいいスタートを切ってグループについていき、フィリップアイランドを攻略したいです」フランコ・モルビデリ(MotoGP 15番手)「今大会はずっと試していることがあるのですが、昨日から少し前進することができました。よかったです。明日はもっと前進したいと思います。いい天気になってもらい、レースではポイント圏内を目指しアタックしたいと思います」ダニ・ペドロサ(MotoGP 18番手)「路面コンディションと強い風のために今日はとても難しい一日となりました。特にセクター1とセクター3の高速コーナーでいい感触がつかめませんでした。ホイールを地面に接地させることに苦労しました。まるでセーリングをしているようでした。コーナリングスピードをうまく使えないのは、このサーキット特有のものがあります。なぜならコーナリングスピードとバンク角が重要だからです。あまりうまく走れず、予選は本当によくありませんでした。明日は風が収まり、今日よりうまく走れることを願っています」トーマス・ルティ(MotoGP 20番手)「最後のラップはセクター3までよかったのですが、セクター4でタイムを落してしまいました。今日は接戦だったので、このミスがなければもっといいポジションを獲得できたと思います。今日はセッティングがよくなったのですが、トリッキーなコンディションで簡単ではありませんでした。かなり後方からのスタートになり残念です。全体的には悪くありませんでした。レースに向けてまだタイヤの選択をしなければなりませんが、多くのことを学びました。フロントタイヤが最後まで持つかどうか確かではありません」
全文を読む