2日連続で最高気温が32℃、路面温度が50℃まで上昇したMotoGP チェコGPの予選は、ライダーにもタイヤにも厳しい条件となったが、総合首位のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、トップのアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)から0.272 秒差の3番手につけてフロントローを獲得した。4戦連続今季6度目のフロントロースタートとなったマルク・マルケスは、フリー走行では総合4番手。予選前に行われたFP4では、最も厳しいコンディションの中で2分6秒台で連続ラップをこなし、ライバルを圧倒した。
そして迎えた予選Q2では最後のアタックを回避したことで3番手へとダウンしたが、3戦連続今季6勝目に向けて手応えのある一日となった。マルケス同様、フリー走行でセットアップに集中したカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、2日目のフリー走行で7番手に浮上、予選Q2では5番手へと着実に前進した。今大会は、フリー、予選ともに気温も路面温度も高く、暑いときにフロントのパフォーマンスに課題を抱えるホンダ勢には厳しい戦いとなった。そうした厳しい状況の中でクラッチローは2列目5番手を獲得。長丁場となる決勝に向けて、2年ぶりの大会制覇と表彰台に向けて好グリッドを獲得した。初日のフリー走行でトップタイムをマークしたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、2日目のフリー走行でも大接戦の中で総合6番手につけてQ2進出を果たした。予選では10番手グリッドと思ったようなポジションを獲得できなかったが、決勝に向けて順調にセットアップを進めた。決勝では追い上げのレースが期待される。昨年はマルケスに続いて2位でフィニッシュ。2年連続Repsol Honda Teamの1-2フィニッシュ、ダブル表彰台が期待される。以下、ホンダ勢は、オランダGPのフリー走行のケガから3戦ぶりに復帰のフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が13番手。完全復調を感じさせる走りをみせた。決勝は3戦ぶりとなるが、第4戦スペインGP以来となる今季2度目のシングルフィニッシュが期待される。ワイルドカードで出場のステファン・ブラドル(HRC Honda Team)が18番手、鈴鹿8時間耐久ロードレースからの連戦となった中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、旋回性に苦戦して20番手、初ポイント獲得に気合を入れるトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は22番手。3選手ともに追い上げのレースに挑む。マルク・マルケス(MotoGP 3番手)「僕たちが選んだセットアップでは、新品タイヤを装着したときに、1周のタイムが少し落ちることに午前中の走行で気づきました。しかし、タイヤが消耗し始めると快適になりました。とにかく、このサーキットでフロントロースタートを獲得できたことはとてもポジティブです。ここまでは順調。予選の最後にタイムアタックをしなかったのは、少しリスキーな状況だったからです。レースウイークを通して一歩一歩前進することができました。特に、レースペースには満足しています。ドビ(ドヴィツィオーゾ)とロレンソも素晴らしいペースがあり、実際彼らのペースは最高です。でも僕たちも悪くはありません。だから明日どこでフィニッシュできるか楽しみです。バレンティーノも戦いに加わってくると思うので、いいレースになると思います。明日は、とても長いレースになると思います。そのため集中して安定した走りをすることがとても重要になってきます。もちろんタイヤチョイスとタイヤマネジメントもとても重要です。表彰台を獲得するのは厳しいと思いますが、がんばって狙いたいです」カル・クラッチロー(MotoGP 5番手)「この暑いコンディションでは、フロントタイヤに少し問題がありました。もしライバルチームがハードタイヤを使うような状況になれば、私たちは問題に直面することは分かっていました。それだけに2列目を獲得できてとてもうれしいです。今日はベストな仕事ができました。予選セッションを楽しめました。5番手という結果は現状では最高の結果です。LCR Honda CASTROLチームとHRCは素晴らしい仕事をしています。そして僕たちは戦闘的になれるようにベストを尽くしています。表彰台に上がれるペースがあると思いますが、天候がどうなるか様子をみたいです」ダニ・ペドロサ(MotoGP 10番手)「今日は2つのポジティブなセッションをこなすことができました。そしてレースのセットアップに十分取り組むことができました。しかし、予選は思ったようにはいかず10番手でした。望んでいたような結果ではないので残念です。ソフトタイヤでタイムを上げようとしましたが、残念ながら大きく前進することはできませんでした。明日に向けて最良の状況は作れませんでしたが、いいスタートを切りたいです。特に最初の数周で追い上げることが非常に重要になるので、そこで速く走れることを願っています」フランコ・モルビデリ(MotoGP 13番手)「昨日と比べてかなり前進できたし、いい一日でした。ドイツのレースは走れませんでしたが、マシンの感触はさらに快適になっています。スピードが少し足りませんが、予選の結果には満足です。明日は暑い中での厳しいレースになると思いますが、いいペースがあるので力強い走りをしたいと思います」ステファン・ブラドル(MotoGP 18番手)「今日はセッティングだけに集中して取り組みました。それが役に立ち、スピードが上がりました。正直、自分のライディングスタイルも、RC213Vに合わせることができるようになり、少しよくなりました。午前中はマシンを乗りこなすのが少しだけ楽になり、コーナースピードも上がりました。まだフロントの感触が少し足りないし、自分の予選タイムにもまだ満足していませんが、レースペースをキープできれば、明日はポジションを上げるチャンスがあると思います」中上貴晶(MotoGP 20番手)「昨日から多少セッティングを変更してよくはなりましたが、ブレーキングからの旋回性が思ったように改善できず、苦労しました。特にソフトでのアタックでは、レース用タイヤと比べてもほとんどタイムを短縮できず、それがグリッドに影響しました。走っているフィーリングとしては、もう8耐の影響はないと思うのですが、コーナーによってはバンク角が足りなかったり、切り返しが遅い感じです。基本的には前戦ドイツGPのセッティングで走っていますが、明日のウォームアップで最後の調整をして、決勝は追い上げのレースをしたいです」トーマス・ルティ(MotoGP 22番手)「予選が始まり、最初のセットはかなりホイールスピンをしましたが、セカンドタイヤはだいぶよくなり、大きな違いを感じました。タイムはよくなりましたが、いいポジションを獲得するには、十...
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