MotoGP 第6戦イタリアGPが、6月1日(金)~3日(日)までの3日間、フィレンツェ近郊のムジェロ・サーキットで開催される。イタリアGPは、5月もしくは6月の大会として定着しており、昨年に続き6月上旬での開催となった。ムジェロで初めてグランプリが開催されたのは1976年。以降、イモラ、モンツァなど、複数のサーキットでイタリアGPが開催されてきたが、1991年にサーキットの全面改修を受けてからは、ムジェロがイタリアGPの舞台として定着した。
91年はサンマリノGP、92年はイタリアGP、そして93年は再びサンマリノGPとして開催され、94年以降はイタリアGPの舞台となり、今年で25年連続の開催となる。91年~93年の3大会を加えると28年連続となる。Hondaは、93年のサンマリノGP以来、ムジェロでは13勝を挙げている。93年から98年までミック・ドゥーハンが6年連続優勝(イタリアGPとしては5年連続)。以降、アレックス・クリビーレ、ロリス・カピロッシ、アレックス・バロス、バレンティーノ・ロッシがHondaで優勝。そして、Repsol Honda Teamとしてはダニ・ペドロサが10年、マルク・マルケスが14年に優勝している。今年は4年ぶりの優勝を目指す。ムジェロは、一周5.245kmのハイスピードコースで、グランプリが開催されるサーキットでは、オーストラリアのフィリップアイランドに次いでアベレージスピードの高いコース。下り勾配の最終コーナーから約1.1kmのロングストレートで繰り広げられる超高速バトルが最大の見どころで、見ている観客を興奮させる。ムジェロは全体的にパッシングポイントが多く、目まぐるしくポジションを入れ替える競り合いになることがしばしばで、選手からも観客からも評価の高いサーキットになっている。この季節のムジェロは、好天の日が多く、2009年のウエットレースを最後に10年から17年まで8年連続で天候に恵まれた。過去、6月開催は30℃を超える猛暑になることが多かったが、昨年は雲が多い天候で最高気温は25℃と6月としては涼しいコンディションとなった。いずれにしても、ハイスピードコースのムジェロはタイヤに厳しい戦いとなる。そのためタイヤの選択がリザルトに影響することも多く、フリー走行、予選でのセットアップが重要になる。今年は第4戦スペインGP終了後にムジェロでプライベートテストを実施。午前中はドライコンディションも午後になって雨が降るあいにくの天候だったが、Hondaチームは、本番に向けてデータ収集を行った。5戦を終えて3勝。総合首位に立つマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、今年は4年ぶりのイタリアGP制覇に挑む。今年はウインターテストからセットアップが順調に進み、第3戦アメリカズGPでは6年連続優勝を達成。シーズンを通しどちらかと言えば苦手とする第4戦スペインGPと第5戦フランスGPも勝利した。それだけに今年のイタリアGPは4年ぶりの大会制覇に大きな期待が寄せられている。これまでマルケスは、125cc時代の10年にムジェロでグランプリ初優勝を達成した。Moto2クラスでは11年、MotoGPクラスでは14年に優勝。15年は転倒リタイアとなるも、16年は優勝争いを繰り広げて2位。17年はフロントのフィーリングに苦しみ6位という厳しいレースを強いられた。4月の合同テストでは、昨年の課題の修正に取り組み、非公式ながらも自己ベストを更新、昨年の大会のポールポジション(PP)タイムに匹敵する1分46秒台の好タイムをマークした。ムジェロは、ホームグランプリとするドゥカティ勢、そしてイタリア人選手たちが熱い走りを見せる。今年も超高速バトルが予想されるが、どんな戦いを見せてくれるのか、大きな注目が集まっている。シーズン前半、不運の転倒が続き、体調が万全ではない総合10位のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が今季初表彰台、初優勝に挑む。前戦フランスGPでは5位。表彰台には届かなかったが、復調を感じさせた。これまでムジェロでは、250cc時代の05年に優勝、MotoGPクラスでは、07年に2位、08年に3位、10年の大会ではポール・トゥ・ウインを達成。12年と13年は2位とコンスタントに表彰台に立ったが、14年から16年までは3年連続の4位と表彰台にあと一歩届かず、昨年は転倒リタイアに終わっている。今年は5年ぶりのイタリアGP表彰台と10年大会以来の優勝に挑む。5戦を終えて総合8位のカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、今季2勝目に挑む。今年はシーズン序盤から好調で、第2戦アルゼンチンGPで2年ぶりの優勝を達成、第4戦スペインGPでは2年ぶりのPPを獲得するなど、随所ですばらしい速さを見せている。その一方、転倒も多くランキングでは総合8位だが、イタリアGPでは13年大会以来の表彰台獲得を目指し巻き返しに挑む。今大会はチームにとってホームグランプリ。クラッチローの熱い走りがファンが注目している。5戦を終えて総合15位のフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、5戦を終えて4戦でポイント獲得と徐々にHonda RC213Vのパフォーマンスを引き出すことに成功している。今大会は地元ファンの声援の中で、第4戦スペインGPの9位をしのぐベストリザルトに挑む。Moto2クラスでタイトルを獲得した昨年の大会はチャンピオンシップを優先して4位でフィニッシュ。表彰台を逃したが、今年はニューチャレンジのシーズンとなり全力で挑む。総合17位の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、第2戦アルゼンチンGPからアメリカズGP、スペインGP、フランスGPと4戦連続でポイントを獲得した。今大会は目標とするシングルフィニッシュを目指し全力を尽くす。第4戦スペインGPの後に行われた合同テストに参加して準備はできている。チームにとってもホームグランプリとなるだけにベストフィニッシュを狙う。5戦を終えてポイント獲得にあと一歩に迫るトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、得意とするサーキットで初ポイントを目指す。Moto2時代は12年に3位、昨年の大会でも2位になっている。得意とするサーキットで初ポイント獲得が期待される。マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)「チャンピオンシップでアドバンテージのある状態でムジェロを迎えます。しかし、シーズンはまだ序盤戦であり、どの大会も接戦です。引き続き、いい感触をキープしなければなりません。フランスグランプリの前にムジェロでテストを行っているので、走り出しから安定した走りができると思います。これはいいことですが、決勝に向けてしっかり、自分のいる状況を見定めなければなりません。タイヤの選択やセットアップ、気温など、ムジェロはいつも予測がつきません。テストをしたときに比べて、今週は気温が高くなる...
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