マルク・マルケスがアメリカズGPに続き2連勝。ポル・エスパルガロは2位で今季初表彰台獲得 2021年 MotoGP 第16戦エミリア=ロマーニャGPは、予選7番手から好スタートを切ったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、前戦アメリカズGPに続き2連勝を達成、今季3勝目を挙げた。
序盤は、フロントローからスタートしたフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)とトップグループを形成した。その後、4周目にミラーが転倒、マッチレースを繰り広げたバニャイアも23周目に転倒し、終盤は悠々の独走状態に。27周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。今大会は雨の多い不安定な天候となった。決勝日は、青空が広がる絶好のコンディションとなったが、選手たちにとっては路面のフィーリングをつかみにくい厳しいレースとなった。その中でマルク・マルケスは、1分32秒台の好タイムで連続走行。先行するバニャイアをピタリとマークすると、23周目にバニャイアが転倒。その時点で2位以下に大きなリードを築いていたマルク・マルケスは、1分33秒台へとペースを落とし、ミサノでは2019年以来2年ぶりの勝利を獲得。また、最高峰クラスにおいてということでは、ミサノで4勝目を挙げた。この優勝でランキングを7位から6位へと一つあげた。チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)が、予選4番手からバニャイアとマルク・マルケスを追撃して2位でフィニッシュ。Repsol Honda Teamとなってから初の表彰台を獲得した。今大会はウエットコンディションとなった初日のフリー走行で苦戦したが、土曜日のウエットコンディション、そしてウエットからライン上が乾いていく微妙な路面コンディションによく適応して4番グリッドを獲得。決勝では9月のサンマリノGP後の公式テストで得たデータをしっかり活かし2位でフィニッシュした。Repsol Honda Teamの1-2フィニッシュは、2017年のアラゴンGP(マルク・マルケス、ダニ・ペドロサ)以来4年ぶり。次戦アルガルベGP(ポルトガル)、最終戦バレンシアGPでもW表彰台を目指す。予選17番手から決勝に挑んだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、13番手を走行していた9周目に転倒、再スタートを切って15位でフィニッシュした。今大会はウエットコンディションに苦しんだが、ドライコンディションになった決勝日のウォームアップでは今季5回目のトップタイムをマークした。決勝では追い上げを狙ったが、リアのフィーリングが万全ではなく、思うような走りができなかった。中上と同じグループで走行していたチームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)も12番手を走行していた10周目にトラブルが発生し、マシンを止めてリタイアとなった。レースウイークを通して日曜日だけが完全なドライコンディションとなり、タイヤのパフォーマンスを活かすのが難しく、アレックス・マルケスを含む8選手が転倒などでリタイアする厳しいレースとなった。次戦アルガルベGP、最終戦バレンシアGPでは、今季初の表彰台獲得に挑む。マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「今回の勝利は、オースティンよりもかなり重要なものでした。目標はシーズンを終えるにふさわしいミサノか、ポルティマオで表彰台に上がることでしたが、ミサノで優勝することができました。ミサノはあまり強くないサーキットですが、今日はとても速いレースペースがありました。ペッコ(バニャイア)がプッシュし始めたとき、正直「OK」と自分自身に言い聞かせました。そして、少しリラックスして走行することにしたのですが、彼は転倒しました。彼が無事でよかったです。我々はマシンを改善し前進し続けています。2021年を最高の形でフィニッシュして、2022年へ向けて準備をします。ミサノの最初のレースに比べると、一歩前進することができました。タイトルを獲得したファビオ(クアルタラロ、ヤマハ)におめでとうと言いたいです。今年の彼はすばらしかったので本当にふさわしい結果だと思います。今日は彼の日ですが、来年、再び彼と戦えるのを楽しみにしています」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「すばらしいレースと結果でした。自分のことだけでなく、チームのためにも、とてもうれしいです。彼らは今年、一生懸命取り組んできました。特に日本人スタッフは日本の家から離れてたいへんな1年でした。今日の表彰台は、彼らのためでもあります。チームと我々の努力と進歩の結果です。チームのためにこの結果を達成しようとレース中はかなり集中していました。終盤はいろいろなことが起きました。ペッコが転倒し、ミゲル(オリベイラ、KTM)が転倒しました。僕はトラックリミットの警告を受けていました。今日はチームとして、グループとして楽しむ日です。今年はジェットコースターのような1年でしたが、マシンの知識が増えるにつれて、何ができるのかが分かりました。前回のテストのあとは強さを感じました。今日は世界チャンピオンとなったクアルタラロにおめでとうと言いたいです。1年を通して強く、すばらしいシーズンを送ってきました」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「残念ながらレース前にリアのフィーリングに少し問題があり、難しいレースになると思いました。スタートはよかったのですが、先ほど話したようにリアのフィーリングが悪く、何が起きたのか分かりませんでした。これから原因を調べますが、原因が分かることを願っています。今日は転倒の後、レースに復帰して1ポイント獲得できました。あまりいい日ではありませんでしたが、次のレースを楽しみにしたいと思います。そしてプッシュし続けたいと思います」アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)「今日は、金曜と土曜と全く違うコンディションでしたが、セットアップはとてもよかったです。レースではいい仕事ができました。最初からリアのフィーリングに違和感がありましたが、全体的なフィーリングはよかったです。残念ながらマシンに問題があり、ダッシュボードに警告が表示されたのでマシンを止めなければなりませんでした。人生にはこういうときがたまにあるものです。でもまだあと2レース残っています。引き続きデータを収集したいと思います。レースウイークが始まる前、来年に向けて自信を築き上げるための3レースだと言いましたが、あと2レース残っています。いい結果を残したいと思います」
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